メールが届かない原因はどこにある? ~SoftBank編~
はじめに
昨今のメールを取り巻く課題の一つである迷惑メールを減らすため、さまざまな対策が考案されてきました。各キャリアはそれらの技術を取り入れながら、さらに独自の対策も行っているのは皆さまご存じのとおりです。
こうした関係者の努力によって迷惑メール対策技術が発展し、迷惑メールを受信する機会は大幅に減少しました。その一方で、問題ないはずの普通のメールが迷惑メールと誤判定され、相手に届かないという事象が多発するようになりました。
メールを送信する側はこうした事態を防ぐため、文面やメールサーバの設定など、さまざまな観点から見直しをする必要があります。しかし、キャリアごとに取り入れている迷惑メール対策が異なるため、いったい何が原因なのかわからないことがあります。
そこで、各キャリアがどういった観点から迷惑メール対策を行っているのかを知るために、当ブログではキャリア別の独自の対策についてまとめています。今回の記事では、SoftBankにおける取り組みをご紹介します。
なお、auが行っている迷惑メール規制についてはこちらの記事をご参照ください。
ユーザができる迷惑メール対策〜SoftBank編〜
SoftBankがユーザに提供している迷惑メール対策設定項目を紹介します。
迷惑メールフィルター
SoftBankが推奨するさまざまな迷惑メール対策機能を一括で設定することができるメニューです。
同社では、過去に存在した迷惑メールの傾向をデータベース化し、それをもとに機械的に送信されてきたメールの内容を判別し、ブロックしています。この迷惑メールフィルターにもそれが生かされています。
この機能がとくに効果を発揮する具体的な迷惑メールの種類は、なりすましメール・未承諾広告メール・悪意のあるWebサイトへ誘導するメールです。「強」「標準」「利用しない」の3つの規制レベルから選べますが、購入時の初期設定は「標準」となっています。SoftBankの推奨は「強」になります。
個別設定
迷惑メールフィルターは一括の設定となりますが、特定のメールアドレスやPCから送られるメールの受信を拒否したり、各種メールに関してこまかく受信拒否/許可設定をしたりすることも可能です。
同社の場合、通常のメールアドレスの他に、iPhone向け、SMS(電話番号)がありますが、それぞれに個別の設定が可能です。
(※S!メール=MMS/@softbank.ne.jp・Eメール(i)=iPhone専用/@i.softbank.jp・SMS=電話番号)
● S!メールのみでできる迷惑メール設定
・ともだちメール安心設定
※ケータイ基本パックとS!電話帳バックアップの契約者の場合、登録されているEmailアドレスからのメールが優先受信される
※iPhone およびスマートフォン、4G ケータイ、AQUOS ケータイでは設定不可
● S!メール・Email向けの迷惑メール設定
① 特定のメールアドレスの受信拒否設定
② 携帯電話/PHSからのメールのみを受信許可(PCからのメールを拒否)
③ URLリンク付きメール拒否設定
④ 受信許可リスト(ホワイトリスト)の設定
⑤ 特定のメールアドレスの受信許可設定(迷惑メールフィルター機能か、①~④のいずれかと併用)
⑥ なりすましメール拒否設定(携帯・PHS事業者のドメインに詐称したメールを拒否)
※メーリングリスト、メール転送サービスを経由したメールがなりすましと判定される可能性があるため、救済リストに登録することでなりすましメールの判定を回避することが可能です。なお、2011年11月15日以降の加入者はなりすまし拒否設定が標準で適用されています。
● SMS向けの迷惑メール設定
・すべての電話番号から送られてくるメールを拒否
・特定の電話番号から送られてくるメールを拒否
・海外の電話番号メール(国際MMS/国際SMS)を拒否
このように、基本的な設定項目は他社とさほど差異はなさそうですが、送信リストにSoftBankのアドレスがある場合は、念のため受信許可リスト(ホワイトリスト)に登録してもらうようアナウンスをするなどの対策を行った方が安心かもしれません。
参考:
S!メール(MMS)/SMSの迷惑メール対策 | softbank
Eメール(i)(@i.softbank.jp)の迷惑メール対策方法 | softbank
企業がSoftBankユーザにメールを送るときに気を付けること
同社のサイトには、SoftBankユーザに対しメールを送信する際の注意喚起が記載されています。
携帯電話からのメールを送信する際の注意
こちらはあくまで携帯電話からの送信に関するものであるため、事業者(PC)による送信に関する注意喚起ではありませんが、SoftBankが嫌がるメール配信の特徴・特性が表れているため、参考情報としてご紹介します。
携帯からのメール送信件数制限
※送信数には送信エラーも含まれる場合がある。
※送信上限数に満たなくとも短時間での送信があった場合、一時的に送信が制限される場合がある
携帯メール間であっても、大量のメールを短時間~1日の間に送信することは嫌がられるということがよくわかります。
PCからSoftBankアドレスへ送信する際の注意
次に、メルマガなど、PCからSoftBankアドレスへ送信する際の注意事項です。
① 定期的な送信リストのクリーニングを行い、宛先不明のメールアドレスを含めない
② 配信時間を分散させ、一度に大量のメールを送信しない
③ 同じドメインに向けて一気に大量のメールを送信しないため、メーリングリストをドメイン別にソートしない
④ @softbank.ne.jp/@i.softbank.jp宛に大量のメールを送信される場合、毎時00分(例:1:00・2:00など)前後を避けて送信する
④についてですが、同社の統計で毎時00分にメール送信要求が集中することが多いため、メールサーバが処理しきれずに送信遅延が起きる可能性が高いのだそうです。何度も遅延を繰り返すと、IPレピュテーションのスコアを下げ、迷惑メール判定されやすくなります。
IPレピュテーションの低下は④だけが要因ではなく、①~③にも当てはまることでもあります。
IPレピュテーションについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご一読ください。
参考:IPレピュテーションのスコアを見直せばメール到達率UP!理解しておきたいIPレピュテーション
なお、SMSに関してはここでは省略します。上記の詳細な説明や、SMSについて知りたい方は以下のリンクをご参照ください。
参考:携帯電話からメールを送信する際の注意 | softbank
迷惑メールの通報について
SoftBankはユーザに迷惑メールが届いた場合、同社へその情報を提供してほしい旨を呼び掛けています。ユーザが「これは迷惑メールだ」と不快に感じるようなメールの内容は避け、適切なメールアドレスの収集と送信の承諾を得ることを心掛けましょう。
最後に
今回はSoftBankの迷惑メール対策について紹介しました。
基本的に迷惑メールだと判断されないような内容を心掛け、適切なメールサーバ設定と運用、配信時間・送信量の注意、送信リストの適正化などでメール到達率をUPさせることは可能です。
こうしたことを適切に行うにはそれなりの知識や技術力を要することも多々あります。自社で対応が難しい場合は、メールリレーサービスなどの専門サービスを利用することも一つの手段です。しかし専門のサービスを利用したとしても、各キャリアによって迷惑メール判定基準に差異があるため、一律の配信では「特定のキャリアにだけ届きにくい」といった事象が起こり得るのも事実です。
当社は、ホスティング事業者としての長年の経験と豊富な知識を生かしたメールリレーサービス「ベアメール」を提供しています。「ベアメール」は迷惑メール対策の技術進化や携帯キャリアが独自で行っている迷惑メール判定基準に対応し続け、お客さまのメール到達率の向上を成功させてきました。
当社ではこうしたベアメールで培った経験と知見をもとに、新サービス「迷惑メールスコアリング」の提供を開始しました。
本サービスでは、迷惑メール対策で参照されているブラックリストにIPアドレスの登録状況を確認することはもちろん、メールの本文・ヘッダの解析結果や、主要キャリアへの配信状況などの情報をもとに、なぜそのメールが届かないのか、その原因を可視化することができます。
ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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