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【営業シーン別】誰もが知っておきたい営業テクニック

【営業シーン別】誰もが知っておきたい営業テクニック

初心者向けの超基本編のほか、アプローチ・事前準備・商談と営業シーン別にもテクニックをまとめています。

営業活動は個人のスキルが重要視されがちですが、求められるスキルそのものはある程度分類でき、テクニックとして体系化されています。そこで、今回は誰もが知っておきたい基本的な営業テクニックをご紹介します。

初心者向けの超基本編のほか、アプローチ・事前準備・商談と営業シーン別にもテクニックをまとめましたので、段階別に使えるテクニックを学びたい中級者の方もぜひ参考にしてください。

営業で求められるテクニックとは

そもそも営業の目的とは、以下のようなものが挙げられます。

・自社製品やサービスに関心を持つ可能性がある、個人または企業を開拓すること
・(見込み)顧客から信頼を得ること
・商品やサービスの魅力を効果的に伝えること
・顧客と良好な関係を築き、売上(成約)に貢献すること
・既存顧客と良好な関係を保ち、継続的なアプローチを行うこと

ここで言う「商品やサービスの魅力を伝える」とは、単に売り手側がどう売りたいかだけではありません。顧客のニーズや課題をよくヒアリングし、ニーズを満たしたり課題を解決したりするためにどう商品・サービスを活用してもらえるか、自社はどれだけ顧客の課題解決に貢献できるか、という目線が重要です。さらに、根拠をわかりやすく伝えられるプレゼン力も必要でしょう。
しかし重要なのは、相手の話を聞いて理解する力と、相手の立場になって考え、何をしてあげたら喜ぶのかなど、相手の心に寄り添い行動する心配りだと言えます。

営業テクニックを身につけるメリット

営業で結果を出すには重要なポイントがいくつかあり、営業テクニックを身につけることで、それを漏れなく押さえられるでしょう。

顧客の状況理解

顧客の置かれた状況を正確に理解することで、課題に対する適切な提案が可能になり、顧客は自身らのことをきちんと理解してくれている・課題解決に協力してくれるという意識になります。

特にBtoB営業においては、このように新たなニーズ・課題を掘り起こすことは重要です。もともと提案していた商品やサービス以外にも導入の検討を促すことでクロスセル・アップセルなどを実現し、安定的な売上増加に結びつく可能性があります。

顧客からの信頼獲得

商品や企業そのものに圧倒的なブランド力のある企業は多くないでしょう。商品や自社について単に説明するだけでは購入や成約に至りにくいため、顧客との信頼関係が重要なポイントとなります。また、そもそも顧客との信頼関係が構築できていないと、ニーズや課題を語ってくれない可能性が高く、商品やサービスの効果的な提案に至りにくいという問題もあります。

もちろん、そもそも自社の製品やサービスが顧客のニーズや課題解決に役立つことは前提なのですが、その上で営業担当者との信頼関係が重要なのです。顧客からの信頼を獲得することで、競合他社よりも選ばれやすくなるでしょう。

【基本から実践まで】明日から使える営業テクニック

では、実際の営業テクニックについて、基本から実践までステップごとに見ていきましょう。

基本編

営業の基本は清潔な身だしなみ、明るくハキハキした喋り方、顧客に寄り添う姿勢の3つです。基本中の基本であり、当然のことと感じる方もいるかと思いますが、ここで改めて実践できているか振り返ってみましょう。

清潔な身だしなみ

人は 初対面の相手と出会うとき、最初の3秒間で第一印象を判断するとされています。すなわち、ほとんど見た目で判断されるのです。以下のポイントに注意し、清潔感ある身だしなみを心がけましょう。

・頭髪はスッキリ整え、長い場合は結ぶ
・サイズの合った、シワのないスーツを着る
・爪を短めに切り、整える
・手荒れはハンドクリームなどでケアする
・綺麗に磨かれた、形の良い靴を履く

頭髪の清潔感、スーツのシワなどはパッと見てわかるポイントですが、靴や鞄などアイテムも意外とよく見られているものです。鞄やスーツのポケットにはものを詰めすぎず、スッキリしたシルエットを保ちましょう。靴や鞄がくたびれてきていたら要注意です。

明るくハキハキした喋り方

営業は顧客との信頼関係を構築することが重要です。ポジティブなイメージや親近感を持ってもらうため、明るくハキハキとした喋り方、にこやかで柔和な態度を心がけましょう。明るくしすぎる必要はありませんが、表情や声が暗くならないよう注意が必要です。

顧客に寄り添う姿勢

顧客のニーズや課題を正確にヒアリングできなければ、解決案を提案することができません。より多く正確な情報を聞き出すためには信頼関係が重要なため、一方的に質問攻めにするのではなく顧客の気持ちに寄り添う姿勢を持ちましょう。もちろん、あくまでも自社の製品やサービスによって顧客の業務や生活を良くするのだということを忘れてはいけません。

アプローチ編

アプローチで利用できる営業テクニックは4つあります。それぞれのテクニックについて、詳しく見ていきましょう。

ザイアンスの法則(単純接触効果)

「人間は、何度も接触した対象に好感を抱きやすい」という法則で、よく知らない人より、何度か会ったことがある人の方が親近感を感じたり、初めて見る商品よりも、よく見かける商品の方がなんとなく安心感があったりする、という心理のことです。

つまり、同じ能力の営業担当者がアプローチを行うとき、提案だけでその後のフォローがない人と定期的にフォローがある人なら、後者に信頼感を抱きやすいと考えられます。定期的に連絡したり、役立つ資料を送ったり、メルマガなどで情報発信したりしましょう。

オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンの使い分け

オープンクエスチョンとは、返答の形を相手に任せるタイプの質問で、クローズドクエスチョンとは、YesかNoで答えられるタイプの質問です。

オープンクエスチョンは回答の幅や内容について相手任せになるため、顧客の人柄や関係性によって得られる情報量にかなり差が出てしまいます。想像以上に多くの情報を得られる場合もあれば、質問によっては相手が答えに窮してしまう場合もあるでしょう。その点クローズドクエスチョンは基本的に「はい」か「いいえ」の2択になるため答えやすい上、質問側の意図する方向に誘導しやすいというメリットがあります。しかしクローズドクエスチョンだけでは深い情報は引き出せないため、顧客の性質やその時の状況によって2つを使い分けて、情報を引き出せるようにうまくコントロールしましょう。

両面提示

両面提示とは、商品やサービスのメリットとともにデメリットも伝える手法です。対義語に片面提示があり、メリットだけを伝えてデメリットを伝えない手法があります。これまで営業活動では片面提示が行われることが多かったですが、近年は片面提示だと「都合が悪いことは言わない、不誠実な営業だ」と思われる可能性も高いです。

どんなに良い商品やサービスであっても、すべての人が満足するわけではありません。両面提示を行い、メリットを伝えながらもデメリットも隠さず伝えることで、誠実さをアピールできます。

課題発見力

顧客の現状を把握・分析して、課題を見つける力です。顧客の現状と、「こうありたい」という理想とのギャップを明確にすることで、課題を明確にできます。ヒアリングの中で将来的にどうなりたいか、現状と比べてどこが異なるのか探りましょう。

課題発見力を高めるためには、目の前のことだけにとらわれないマクロな視点や、先々のことまで見通す未来志向の視点を持つことが大切です。

事前準備編

商談に入る前には、顧客の情報収集を行い、商談のロールプレイングをしておきましょう。

顧客の情報収集

BtoBなら、企業のWebサイトだけでなく、企業名をインターネットで検索して求人サイトなどもじっくり読み、企業の理念・ビジョンや社風を掴みましょう。社内の風景、社長の言葉、待遇や求める人材像などを調べ、企業の状況をイメージすることが重要です。

BtoCなら、ターゲット層を割り出し、SNSなどでターゲット層と近い人物像がどんなことを考え、どのような行動・活動をするのか掴みましょう。ターゲット層がどのようなニーズや課題を持ち、その解決に自社商品やサービスがどう利用できるか、しっかりイメージしておくことが重要です。

情報収集は商談中のアイスブレイクや雑談にも使えます。特にBtoB企業の場合、「これだけ自社のことをしっかり調べ、よく知ってくれている」ということは好感につながりやすいです。

商談のロールプレイング

情報を集めたら、実際に商談を行うつもりでロールプレイングしておきましょう。擬似的な商談を行い、成功体験や失敗体験を通じて改善点や強みを発見しておくことで、本番の商談での成功率を高められます。

ロールプレイングを行う際は、考えうるネガティブな返答や状況をできるだけ想定して取り組みます。ロープレ時に自分では想定していなかった質問がもらえれば、事前に回答を考えておくことができるので 商談当日は柔軟な対応 ができるでしょう。
ロープレの際は、新卒や他業界出身などさまざまな立場の営業担当者に見せることで、できるだけ多くの気づきを得ることが重要です。先輩営業担当者や上司から、実体験に基づくノウハウを取り入れるのも良いでしょう。

ロールプレイングに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

商談/クロージング編

商談(クロージング)で活用できる、営業テクニック5つをご紹介します。

効果的な提案資料の作成

提案資料は印刷したものを渡すか、Web会議などPCの画面で見せるかによって見やすいレイアウトが異なります。提案方法に応じて見やすい資料を用意するようにしましょう。

説得力のある提案書を作るためには、実際に商品・サービスを導入したユーザーが、どのようなメリットが得られたか具体的な数値を用いて説明すると効果的です。複数の競合他社からアプローチを受けている会社にプレゼンを行うときは、他社との比較表を入れるのがおすすめです。

プリフレーム

プリフレームとは、商談に入る前にあらかじめ話すことの枠組み(目次)を設定することです。

具体的には、「最初に私から○分ほど商品(サービス)の説明をさせていただき、その後に○分ほどお話を聞かせていただきたいと思っております。最後に、○分ほど商品(サービス)の動画をご紹介させていただければ幸いです」といった前置きがあると良いでしょう。

商談の大まかな時間配分がわかることで、聞き手が話に集中しやすくなります。

SPIN営業話法

SPINとは、状況・問題・示唆・解決の英単語の頭文字を取ったもので、顧客の共感を引き出しながらニーズを探り、課題を明確化する目的で使われるヒアリング手法のことです。

S:Situation (状況)…クライアントの現状を把握する
P:Problem(問題)…課題を引き出す
I:Implication(示唆)…課題の重要さ、解決しない場合の危機について認識してもらう
N:Need-Payoff(解決)…課題解決の方法を提案する

SPIN営業話法について詳しくは、ぜひ以下の記事をご一読ください。

ハロー効果

ある一つの良い特徴が、全体の印象に良い影響をもたらすこと、逆に、それが持つ顕著な特徴に引きずられ、他の特徴についての評価が歪められること、といった心理学を応用した営業テクニックです。

ハロー効果の良い面を使い、「大手の○○社でも導入されています」「○○市役所でもご利用いただいています」など、官公庁や大手企業など信頼性の高い実績を伝えると、商品・サービスへの信頼性が高まる傾向があります。

ミラーリング効果

自分と似ている人を好む、という心理学を応用し、相手の動作などを意識的に真似て好印象を与える営業テクニックです。ゆったり話す人ならこちらもゆったりと構え、せっかちな人ならこちらもテキパキと話を進めるなど、話しのスピードやリズムを合わせることでなんとなく「気が合う」「話が通じる」と親近感を持ってもらえるでしょう。

まとめ

営業では、顧客のニーズや課題を把握し、自社の商品やサービスによって解決する提案を行うことが重要です。そのためには、顧客との信頼関係を築かなくてはなりません。
顧客との信頼関係を築くためには、第一印象を決める見た目はもちろん重要ですが、アプローチ・事前準備・商談とステップごとに意識すべきポイントや活用できるテクニックがあります。ぜひ、今回ご紹介したテクニックを参考に、より良い営業・商談を行いましょう。