CTIとは?機能やメリット、企業規模別のおすすめシステムまで徹底解説!
最終更新日:2022/1/6
目次
はじめに
本記事では、
- CTIの概要やメリットが知りたい
- CTIにどんな機能があるのか知りたい
- どんなCTIシステムがあるのか知りたい
といった方のために、CTIの概要やメリット・機能を解説し、さらにオススメのCTIシステムを紹介します。
顧客満足度向上のため、CTIシステムの導入を検討する際にご活用ください。
1. CTIとは?知っておきたい基礎知識を解説
CTIはIT技術の進化とともに登場し、コールセンター業務を一変させました。
では、コールセンター業務の中でCTIがどのような役割を果たすのか、以下で解説していきます。
CTIとは
CTI(Computer Telephony Integration)は、電話とコンピューターを融合する技術またはシステムです。着信のあった番号をもとに顧客情報を検索してコンピューターに表示するなど、オペレーターの作業効率や応対品質の向上に役立つ機能が利用できます。
IT技術の進歩により、音声や発着信に関するデータをデジタル化し、ネットワーク回線を介して通話できるようになりました。これらのデータは、CTIを導入することでコンピューター上のアプリケーションと連携して利用することが可能です。
たとえばオフィスやコールセンターの電話業務では、オペレーターが利用するPCや自社の顧客情報を管理するCRMシステム・データベース、電話の発着信・保留・転送などの制御を行うPBX、オペレーター業務をより円滑にするコールセンターシステムといった様々な機器・システムが使われています。
これら電話に関する仕組みがそれぞれ連携して動作するように統合する技術・システムのことをCTIと呼びます。
一般的に、CTIはコールセンターシステムと一体となった形で提供されることがほとんどです。サービスによってはPBXの機能を併せ持つものもあります。
CTI連携のメリット
CTIの登場によって電話とコンピューターが連携できるようになりました。ここでは、電話が持つ情報とコンピューター上の顧客のデータを組み合わせるメリットについて解説します。
顧客情報の確認・記録の効率化
CTIを導入することで、電話番号をもとに顧客情報をCRMから検索し、名前や住所などをコンピューターに表示させることが可能になります。CRMなどの顧客管理システムでは、潜在顧客や見込み客といったグループ分けができ、応対内容も記録できます。こうしたCRMに蓄積された情報を電話が着信したタイミングで把握できるため、無駄なやりとりを省き、顧客体験の向上につなげることができます。
また、着信時に応対履歴の入力画面も呼び出せるため、オペレータの工数も削減することができ、コールセンター全体の業務効率の向上にもつながります。
通話録音データの有効活用
通話を録音し、CRMなどに入力した応対履歴と紐付けて保存することができます。顧客とのやりとりが音声で記録できるため、トラブルの防止に役立ちます。また、熟練オペレーターの録音を共有・標準化することで、新人を効率的に育成でき、センター全体の応対品質を向上させることもできます。
さらに、録音した内容は音声認識サービスを用いてテキスト化することができ、データ分析に活用してマーケティングや営業などの活動に役立てたり、応対履歴の入力にかかる時間を短縮したりすることも可能です。
2. CTIのタイプ・機能とは?
CTIは、提供形式や機能によって、オンプレ型とクラウド型、インバウンド業務向けとアウトバウンド業務向けとにタイプを区分することができます。
ここでは、CTIの各タイプとコールセンター業務を支援する機能について解説します。
CTIのタイプ:システム別
CTIには、クラウド型とオンプレ型の二つのシステム形態があります。それぞれの特徴について解説します。
クラウド型CTI
クラウド型のCTIシステムは、クラウド上に設置されたサーバーからサービスが提供されます。そのため、自社にサーバーを設置したり、電話回線をひく必要がなく、インターネットとパソコンがあればすぐに導入することが可能です。
5営業日〜2週間程度とスピーディーに導入ができるほか、導入コストが低く抑えられる、繁閑に合わせて利用する人数や機能を細かく調整できる、複数拠点や在宅化対応が容易といったメリットがあります。
オンプレ型CTI
オンプレ型のCTIシステムは、自社にCTIサーバーを設置する必要があります。自社システムとの連携など、柔軟なカスタマイズができる点が特徴です。またオンプレ型のメリットとして、インターネットに接続しないため高いセキュリティを保つことができる点、安定して高い音質で通話ができる点があります。
CTIのタイプ:機能別
CTIは、機能によってインバウンド向け、アウトバウンド向けに区分することもできます。
インバウンド業務向けCTIシステム
着信時に顧客情報をポップアップで表示する機能や、ACD・IVRなどを備えたCTIは、インバウンド業務を効率化することができます。応答率が向上するほか、適切なオペレーターが対応できるようになるなどの効果があるため、より顧客満足度の高いコールセンター運営が可能になります。
アウトバウンド業務向けCTIシステム
対して、システムが自動で架電するプログレッシブコールやプレディクティブコールなどの機能を持つCTIは、アウトバウンド業務の手間を減らせます。オペレーターの数に対して架電倍率を設定することができるため、電話に出ないことが多くコンタクト率が低い個人向け営業、コンタクト率が高い法人向け営業それぞれの架電効率を向上することができます。
CTIの基本機能(一部抜粋)
CTIシステムには様々な機能が存在しますが、ここではよく使われるものを抜粋して紹介していきます。
CRM連携
顧客情報を管理するCRMと連携することで、より詳細に相手の状況を把握しながら応対できます。CRMでは、潜在顧客や見込み客といったステージに応じた分類ができることに加え、過去のやりとりなどの記録が蓄積できます。こうした情報を活用し、無駄のない、顧客に寄り添った応対ができるため、オペレーターの業務の効率化や品質向上が望めます。
通話録音連携
通話の録音データを、CRMなどに入力した応対履歴と紐付ける機能です。通話内容を後から確認する際に、対象の音声を簡単に探し出すことができます。
レポート機能
架電・受電に関する様々な統計レポートを作成する機能です。着信数や保留数・応答率・放棄数といった各種データを可視化し、コールセンター業務を効率化します。
インバウンド業務向け機能
ポップアップ機能
電話番号をもとに顧客情報を検索し、コンピューターに表示する機能です。電話を取る前に相手の名前や住所などが把握できるため、顧客に合わせた柔軟な応対が可能になります。
ACD(着信分配)
あらかじめ設定したルールに沿って、オペレーターへ着信を振り分ける機能です。業務スキルに応じて入電の優先度を設定したり、応対するオペレーターの偏りをなくすことができます。また一定時間の応答がなければ別のオペレーターへ入電を振り分けるなどの設定もできるため、放棄呼の減少にもつながります。
IVR(自動音声応答)
入電時にガイダンスを流し、プッシュされたダイヤルボタンに応じた動作の設定ができます。ACDと同様にあらかじめルールを決めておき、押された番号に応じてオペレーターへ転送したり、混雑時に時間を置いてかけ直すようお願いするといったガイダンスの設定が可能です。
稼働状況モニタリング
コールセンター全体の状況を可視化する機能です。通話数・保留数・待ち呼数などの数値や、オペレーターの稼働状況を把握することができます。
アウトバウンド業務向け機能
プログレッシブコール
待機しているオペレーターの人数に対して発信倍率を設定し、自動的に架電を行う機能です。法人向け営業のようにある程度高い応答率が期待できるリストへの架電に役立ちます。
プレディクティブコール
プログレッシブコールと同様に待機しているオペレーターの数に対して発信倍率を設定した上で、あらかじめ決めた通話時間の経過後に自動で架電を行う機能です。こちらは不在率が高く、なかなかつながらないリストへの架電に有効です。
発信先の管理機能
条件を設定してリストの中から架電先を抽出したり、お客さまの都合に合わせて再架電日時を設定したりする機能です。確度の高いリストへのアプローチや、再架電のスケジュールをすぐに設定することで架電業務を効率化することができます。
3. CTI・コールセンターシステムを導入すべきなのはどんなケース?
業界や業種に関わらず、電話窓口やコールセンターは特有の課題を抱えています。実際に企業で起きているケースから、CTIやコールセンターシステムがどのように役立つのかを解説します。
予約受付時に顧客情報がわからない
電話で予約受付をする際、多くの企業ではまず日付や人数といった要件を伺い、予約ができるとわかった段階で氏名や電話番号などの顧客情報について確認します。この場合、対応者は電話を取ってからしばらくの間、相手が常連なのか、新規顧客なのかも分からない状態でやりとりしなければなりません。
CTIを導入することで、顧客情報を電話番号で検索して自動表示できるため、既存顧客であれば名乗らずとも特定することができます。あらかじめ属性がわかることで、ひとりひとりに合わせた顧客体験を創出できます。
組織や運営ルールの変更に伴う設定変更の業務負荷
オンプレ型CTIやコールセンターシステムを利用している企業の場合、部署異動に伴う電話の設定変更や、休日を知らせる音声アナウンスの登録などは業者に依頼する必要があります。そのため、作業に時間がかかり、費用も発生するので、機動的な組織運営をする上でネックとなってしまいます。
クラウド型CTI・コールセンターシステムを導入することで、こうした設定も自社でスピーディーに行えるようになり、併せて運営コストの削減も実現できます。
リプレイスに伴う開発コスト、長期にわたる開発期間
オンプレ型のCTI・コールセンターシステムでは、保守契約の期限が切れるごとにリプレイスをする必要がでてきます。導入のためのコストが都度発生するほか、ユーザの要件を満たすための開発にも長い期間がかかるため、センター運営への影響も無視できません。
クラウド型のCTI・コールセンターシステムでは、クラウド上に設置したサーバーから機能が提供されるので、こうしたリプレイスの心配はありません。また、いつでも必要なサービスだけが利用できるため、コストの調節もできます。
4.CTIのコスト
上述の「CTIとは」でも触れた通り、CTIはコールセンターシステムと一体となった形で提供されることが一般的です。ここではクラウド型・オンプレ型ともに、CTIとコールセンターシステムを含めたコストについて解説します。
クラウド型のコスト
クラウド型では、サーバーやPBXといったハードウェアを購入する必要がないため、導入コストを抑えることができます。月々の運用にかかる費用も、利用する人数や期間に応じて課金されるため、繁閑に合わせた調節が可能です。また、部署異動や拠点の移転に伴う設定変更もブラウザから行えるため、業者に依頼することで発生する手数料がかからないといった特徴もあります。
オンプレ型のコスト
オンプレ型では、サーバーやPBXを自社内に設置する必要があるため、導入にかかるコストが高くつきます。また、設定変更についても業者・ベンダーの手を借りなければならないため、その都度費用が発生します。一度システムを構築してしまうと、利用状況の変化に合わせた調節が難しい反面、長期的な運用コストはクラウド型よりも安くなる場合があります。
製品によって価格は異なりますが、多機能になるほど高くなる傾向があります。
- クラウド型:10,000円/席〜
- オンプレ型:要見積もり(数十万円〜)
5.CTIを導入する前に確認すべきポイント
利用する人数・規模
CTIの導入に際して、まずは自社が利用したい規模に対応しているかを確認しましょう。例えばクラウド型のCTIであれば座席数ベースやアカウント単位での料金形態になっているシステムも多く、スモールスタートに向いています。業務が拡大していったとしても、100席〜300席ほどであればクラウド型で対応可能です。
一方で、300席を超えるような大規模で利用したい場合にはオンプレミス型を検討してみてもいいでしょう。
システム更新の可能性と頻度
CTIを選ぶ際、あらかじめどのくらいの頻度でシステムの更新が必要になるかも想定しておきましょう。座席やアカウントを増やしたり、人数増加に合わせて機能の追加を行う予定があれば、拡張しやすいクラウド型のCTIをおすすめします。
大規模利用で、設定変更や保守対応の頻度が少ないことが見込まれるのであれば、長期的にみてオンプレミス型CTIの方が費用が安くなる場合もあります。
利用する目的や業務
「CTIのタイプ:目的別」でも紹介した通り、CTIにはインバウンド向けとアウトバウンド向けのシステムがあります。利用したい業務に合ったシステムを選ぶのも重要なポイントといえるでしょう。
ただ、例えばインバウンド業務に強いシステムがまったくアウトバウンド業務に適さないわけではありません。「インバウンド向け」「アウトバウンド向け」というのはあくまで「その業務に適した機能がどれだけあるか」という視点での分類であるため、総合的な機能や費用、拡張性や自社システムとの連携性なども考慮しながら、最も適したシステムを選びましょう。
ネットワーク・セキュリティ環境
CTIを導入する場合、自社のネットワークやセキュリティ要件についても整理しておく必要があります。
クラウド型CTIはインターネット上で通話を行うVoIPという技術を用いているため、通話の品質がインターネット回線の品質に依存します。クラウド型CTIを使う場合は自社のインターネット回線についても事前にチェックしておきましょう。
また高いセキュリティ性が要求される場合、VoIPを利用しているクラウド型CTIよりもインターネット接続の必要がないオンプレミス型CTIの方が適している場合があります。
自社の要件をきちんと整理したうえで、どの程度のセキュリティが必要なのかを合わせて確認しておきましょう。
在宅勤務・別拠点での利用
今や在宅勤務もある程度普及し、出社勤務と切り替えながら対応している企業も多くなりました。ですが、電話対応のための設備がオフィスでしか利用できず、在宅勤務が始められない、という企業も実は少なくありません。
オフィス以外の場所で業務を行う場合や、オフィス自体が複数に分かれるような場合はクラウド型CTIをおすすめします。
既存システムとの連携
自社で利用しているCRMやSFAといったシステムとの連携性も確認しておきましょう。場合によってはシステム同士の相性が悪く、うまく連携ができない可能性もあります。CTIを選ぶ際は、自社が利用しているシステムとの連携実績があるベンダーを探すようにしましょう。
6. 【企業規模別】おすすめCTI・コールセンターシステムを紹介
ここからは、具体的なCTI・コールセンターシステムのサービスについて、企業規模や費用の観点からおすすめのものを紹介していきます。
BIZTELコールセンター
BIZTELは初めての方でも簡単に導入できるクラウド型コールセンターサービスです。2006年から15年以上に渡ってサービスを提供しており、導入社数・稼働席数ともに国内No.1を獲得しています。*
また、24時間/365日の有人による電話対応といったサポート体制を構築しており、安心して利用することができます。Salesforceをはじめとした各種CRMやSFAとの連携も可能で、ニーズに合わせた柔軟な運用ができる点も特長です。
*デロイト トーマツ ミック経済研究所より2021年5月に発刊された、『マーテック市場の現状と展望 2021 年度版 クラウド型CRM市場編(第5版)』による。
導入に向いている企業規模
小〜大規模まで幅広く対応していますが、1〜100席のコールセンターから圧倒的に支持されています。
費用
BIZTELコールセンターでは、コールセンター業務を支援する機能に加え、通話録音が標準提供されています。
- 初期費用:50,000円/席
- 月額費用:15,000円/席
カスタマイズ可否
様々なAPI機能を提供しており、CRMや独自システムと組み合わせて使うことができます。Salesforce・kintone・Slack・AmiVoiceをはじめ、数多くのサービスとの連携実績があり、システムに業務を合わせることなくスムーズな利用が可能です。
導入実績
1,700社、34,000席を超える導入実績があります。
freee・LINE Pay・フジッコ・沢井製薬・ヤマハ発動機・エキサイトなど
GENESYS Cloud CX
GENESYS Cloud CXはジェネシスクラウドサービス社が提供する、高い拡張性と先進的な機能を備えたクラウド型コールセンターシステムです。
電話に加え、チャット・ビデオコール・ソーシャルメディアを統合した、マルチチャネル対応のソリューションを提供しています。あらゆるチャネルを結ぶことで、顧客に合わせた対応が可能となり、システム活用の幅が広がります。
導入に向いている企業規模
機能別に料金プランを分けており、基本的には中〜大規模に対応しています。
費用
- Genesys Cloud CX1:9,000円/1ユーザ/月
- Genesys Cloud CX2:13,200円/1ユーザ/月
- Genesys Cloud CX3:16,800円/1ユーザ/月
カスタマイズ可否
検証が必要。要問い合わせ。
導入実績
非公開のため要問い合わせ。
BlueBean
BlueBeanはソフツーが提供するクラウド型コールセンターシステムです。
CTIのほか、CRM・オペレーター管理・レポートなど、多数の機能を搭載したオールインワンタイプの製品です。
アウトバウンド・インバウンド両方の業務に対応しており、特にプレディクティブ発信やリスト管理などのアウトバウンド機能が標準サービスで利用できるため、効率的な架電業務がすぐに始められます。
導入に向いている企業規模
ライセンス単位、かつ1ヶ月からの契約が可能なため、スモールスタートに向いています。
費用
- 初期費用:5,000円/ライセンス
- 月間利用料:5,000円/ライセンス/月
カスタマイズ可否
Salesforce・kintone・ZohoCRM・RECAIUSなど多数の外部システムと標準連携が可能。その他、要問い合わせ。
導入実績
導入実績は300社以上。
7. まとめ
本記事では、CTIの概要や機能に加え、タイプ・コスト・導入すべきケース・おすすめのサービスなどについて紹介しました。
電話窓口やコールセンターを設置しただけでは、お客さまの満足度を上げることはできません。効率的な運営を行い、優れた応対を提供することで、初めて良質な関係が構築できます。自社に適したCTIを導入して、最高の顧客体験を築いていきましょう。
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