【2021年度版】ポストコロナで実践できる新規開拓営業の方法とは
この記事では、今の時代だからこそ実践したい新規開拓営業の方法を解説しています。
新型コロナウイルスの影響で、営業の働き方に変化が訪れています。今までは顧客のもとに足しげく通うのが一般的でしたが、電話・メール・オンライン商談など「非対面」での営業に変わりつつあります。
しかし、営業スタイルが変化する中で、新規リードの獲得や新規開拓営業についてどうすればいいのかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、今の時代だからこそ実践したい新規開拓営業の方法を解説します。
新規開拓営業のニューノーマルとは
ここでは、3つの視点から新規開拓営業を解説していきます。
新規開拓は何のためにする?
まず、新規開拓をする理由には大きく2つあります。
自社の顧客数、売上額を増やすため
企業の売上を最大化するためには、顧客数と売上額の双方が重要となります。売上の母数となる顧客数を増やすには、まずは見込み顧客との関係を多く持っておく必要があります。新規開拓営業で自社の顧客数またはリード数を増やせば、そのぶん今後の売上額の向上が見込めます。
中長期的に営業利益を安定させるため
見込み顧客にアプローチする中で、すぐに商談へと結びつかないケースがあります。しかし、今はタイミングが合わなくても、関係値を築いておくことで「そういえば、この間あの会社から商品を勧めてもらったな」と将来的に受注につながっていく可能性もあります。このように、直近の案件がないからと相手にしないのではなく、今後見込み顧客になりえそうかという視点も重要です。
また、今いる顧客が必ずしも契約を継続していく保証はありません。場合によっては業界自体が頭打ちになるなど、不測の事態による契約打ち切りの可能性もあります。そのような事態に備えるためにも、日ごろから新規開拓を行っておく必要があります。
新規顧客開拓=飛び込み営業ではなくなった
今までは、新規顧客開拓といえばテレアポや飛び込み営業のイメージが主流でしたが、最近はそうではなくなってきています。
気軽に会いにいけなくなったため
新型コロナウイルスの影響で、「挨拶だけでも」「自己紹介もかねて名刺をお渡しさせてください」など、まずは挨拶に訪問するという営業スタイルが難しくなりました。担当者が在宅勤務をしているという場合も想定されますし、そもそも「このご時世において飛び込み営業をしてくる」という姿勢自体が顧客側の印象を悪くしかねません。
テレワークが浸透したため
テレワークが浸透し、企業に電話をかけても担当者が在宅勤務で不在というケースも増えました。特に担当者名がわからない状況でおこなうコールドコール(テレアポ)では、より一層コンタクトが困難になりました。今までと同じスタイルでひたすら架電をしても、成果が上がりづらくなっています。
このように、世間では接触をさけるためにリモートワークを導入する企業が増えた影響もあり、これまでの新規開拓手法が通用しにくくなっています。
買い手が求める営業スタイルの変化
時代の変化に伴い、消費者側が求める営業スタイルも変わってきています。
リモート営業の需要が高い
2021年2月HubSpotJapan株式会社が経営者や営業担当者などを対象に実施した調査『HubSpot年次調査:日本の営業に関する意識・実態調査2021』によると、買い手は訪問営業よりもリモート営業を好む傾向にあるようです。
2020年12月時点で、買い手が考える「好ましい営業スタイル」は、リモート営業が最も多い38.5%となり、訪問営業の35%を上回る回答結果が出ています。
一方で、売り手が考える「好ましい営業スタイル」は、訪問営業が48%、リモート営業が21.8%の結果で、買い手と売り手の間に認識の差が生じています。
売り手のほぼ半数は訪問営業を支持していますが、買い手側はどちらかと言えばリモート営業を好んでおり、営業に対する意識に解離が見られています。リモート営業の方が買い手に好まれるケースが多いのであれば、どちらにも対応できるように柔軟性を持つべきでしょう。
足を運ぶよりも、商談の内容が重要
今までの営業は、顧客のもとに足を運ぶことで熱心さをアピールし、営業担当の人間性や信頼関係を築くことで商品の購入に結びつけることも通用しました。
しかし営業のオンライン化に伴い顧客に直接会える機会が減り、関係性を構築することは以前より難易度が上がっており、したがって営業担当の人柄で売るような営業スタイルも難しくなっています。
また買い手側の意識も変化しており、営業担当者の「誠意」とは、足を運んでくれることよりもコミュニケーションの中身で判断されるようです。
上記のデータを基に言えば、これから活躍する営業担当者は「できないことを明確に伝えられる誠実さがあり、短時間でも濃い話ができる商談力ある人」であって、「足を運び対面による『誠意』を見せられる人」ではないということになります。今後は、今まで以上に商談の内容、顧客にとって有用な情報が提供できるかどうかが重視されるでしょう。
新規開拓をするための営業方法とは
今までの新規開拓営業といえば、飛び込み営業やテレアポなどのアウトバウンドが主流でした。しかし、オンライン化に伴い「テキストコンテンツ」「セミナー」「動画」などのインバウンドを誘うコンテンツ戦略が重要になっています。
ここでは、新規見込み顧客獲得に有効な必要な手段を解説します。
1.ブログなどのテキストコンテンツ
今の時代、顧客は自分で検索して情報収集をすることが一般的になっているため、有益な情報をWebサイトにおいて発信することは、見込み顧客に自社を認知してもらうために有効な手段です。
検索からの流入を狙うには、SEO(Search Engine Optimization)の考え方が重要です。SEOは、特定のキーワードで検索したときに検索結果の上位へ表示させる仕組みを表します。たとえば「営業 新規開拓」と検索窓に打ち込んだときに、検索結果には新規開拓営業に関わるWebページが順番に表示されていきます。ここで上位に表示されるメディアは、SEOが評価されているサイトとなります。
SEOのコツとしては、ユーザー像を明確にして、その人物にとって有益な情報を載せることがポイントです。ユーザーが満足することで検索エンジンの利用満足度が上がるため、Googleとしては出来るだけユーザーの求める情報に近く、サイト含めて使いやすい・見やすいコンテンツから上位表示させます。
そのためにも、まずはターゲットが何に悩んでいるのか、どんなことを知りたいのか想像してみることからコンテンツ作りを始めましょう。
2.ウェビナー(Webセミナー)開催
現在、多くの企業でウェビナーを開催しています。ブログやホワイトペーパーといった文章主体のコンテンツは、手軽で情報収集段階の顧客にとっては好まれますが、そこから具体的な商談につなげるにはやや態度変容に促す力が足りません。そこで次の段階として、いきなり商談に持ち込むのではなく、ウェビナーやオンラインの勉強会や相談会といった機会を設けることで、顧客に有益な情報を提供するとともにメリットを訴求し、具体的な利用イメージを持たせることが可能です。
開催するときに重要なのは、どのターゲットに向けて開催するのかを明確にしておくことです。たとえば、初心者向けなのか、基礎知識を持っている人向けなのか、専門的なスキルを持っている人向けなのかによって内容が変わってきます。ウェビナーを有益なものにするためには、ターゲット顧客を明確にしたうえで開催しましょう。
3.動画配信
動画配信サービスのYouTubeは、年齢問わず見られており、YouTubeをきっかけにビジネスの展開もできます。開催したウェビナーを録画して公開するなど、自社が持っている知識やサービスを紹介することで、イメージアップと広告戦略につながるでしょう。
4.SNS
SNSは、すでに立派なビジネスプラットフォームです。プライベートの利用だけではなく、BtoCの場合は特にインフルエンサーの発信により成約に結びつくケースが多く見られます。
ただし、年齢層やターゲットの属性によって好まれるSNSは異なるため、自社のターゲット層はどのSNSを利用しているか検討したうえで活用することが重要です。
5.メール
メールは「新規獲得」というよりは、既に営業が名刺交換したりイベントなどで連絡先を獲得した相手にアプローチする手法ですが、案件化していない見込み顧客から新規案件の掘り起こしを行うという意味では「新規営業」とも言えるでしょう。
特にBtoBビジネスにおいては購買プロセスが複雑で長期化しやすいため、案件化しなかった顧客に対してもメールマガジンなどで継続的にアプローチすることで、タイミングを逃さず提案機会を得やすくなるでしょう。
6.テレアポ(電話)
テレアポは取引のない相手に対して企業の代表電話などに電話する、従来から行われているアウトバウンド的な手法です。テレアポを断るフローが確立しているような大企業に対しては難しいですが、中小規模の企業であれば今でも有効な手段ではあります。しかし、テレワークの普及によって以前よりさらに難易度が上がっているため、事前に問い合わせフォームからアプローチしてから電話をかける、担当者が在宅勤務の場合は次回出社日を確認する、曜日や時間帯を変えて架電するなどの工夫が必要です。
7.訪問営業(飛び込み)
先述で少し触れましたが、訪問営業は歴史の長い営業スタイルで、顧客先に足を運び人間関係を作ることを重視した手法です。
新規開拓営業のスタイルとしては効率的とはいえませんが、実物を見ないと分かりにくい商材を扱っている場合や、地域密着型や高齢者層をターゲットにしているビジネスモデルの場合には直接訪問してしまう方が効率的な場合もあります。
新規開拓営業で成果を出すコツ
ここでは、新規開拓営業で成果を出すための4つのコツを解説します。
ターゲットを明確にし、質の高いリストを用意する
サービスを販売するうえで重要になるのが、ターゲットの明確化です。素晴らしいサービスでも、相手にとって価値がなければ何の意味もありません。
たとえば、これから野球をはじめる人にサッカーボールの営業をしても成約率は低いでしょう。しかし、これからサッカーをはじめる人に営業すると、成約率がグッと高くなります。
新規開拓営業では、どのターゲット層にアプローチするのか明確にしたうえでリストを作成しましょう。
「話しやすい」「検討度合いが高い」に囚われない
営業では、相手が必ずしも決裁者ではないという意識をもつのが重要です。
最初に接点を持った相手が興味を示しても、最終的な判断を下す決裁者が納得しなければ成約にはつながりません。
また、検討度合いが高いからといって、十分な予算があるかもわかりません。視点を広く持ち、動かせる予算が高い企業に所属するキーパーソンへのアプローチを意識しましょう。
相手の課題を把握し、メリットを提示する
新規開拓営業では、相手が「何か売りつけられるのではないか」と警戒心を持たれやすいため、興味を持ってもらえるようにメリットを提示するのが重要です。
メリットを提示するにあたり、相手の課題を把握し、課題を解決できるような提示をすることで成約に結びつきやすいでしょう。
プル型・プッシュ型営業の使い分け
営業には、顧客からのアクションを促す「プル型」とこちらからタッチポイントを作っていく「プッシュ型」があります。
プル型は、ブログ・ウェビナー・SNSなどのコンテンツを活用したインバウンド手法であり、相手のニーズを想定して興味を喚起する形のため押し売り感がなく、たとえ受注につながらなくともイメージ向上につながりやすい優れた営業アプローチです。
プッシュ型は、テレアポや訪問販売などの従来行われていたアウトバウンドなもので、狙った顧客との接点を自ら作れるメリットがあります。ただし、押し売り的な印象を持たれやすく、ニーズのない相手に対してあまりしつこくアプローチすると企業のイメージを下げてしまう可能性もあります。
今の時代は、どちらの手法においてもマーケティングの視点を持ち、顧客のニーズを汲み取った営業が求められています。営業戦略に基づいて、適切に使い分けるようにしましょう。
複数の手段を掛け合わせる
インバウンド的な新規開拓営業では、顧客が自社に興味を持って行動してくれるための網を張るのが重要です。興味を持ってもらうためには、顧客の検討段階に合わせたコンテンツとアプローチ方法を組み合わせるとよいでしょう。新規でコンタクトが取れたとしてもすぐに商談化することは稀なため、継続的なアプローチを行うためにもコンテンツとアプローチ手段を充実させることは重要です。
新規開拓時の注意点
目先の数字に囚われがちな新規開拓営業ですが、成約を闇雲に追いかけアタックし続けるのではなく、効果検証を行い日々ブラッシュアップする必要があります。下記、新規開拓をする際の注意点を解説します。
効果測定を欠かさない
新規開拓営業では、どのくらい成果が出ているかを定期的に見直す必要があります。成果によっては、今のやり方を変える必要も出てくるからです。現状に問題がなくても、初期の頃より成果が上がりにくくなってきたのであれば、新しい施策を検討しなければなりません。
適切なKPI策定
KPIとは、最終的な目標達成をするためのキーとなる数値を意味します。日々の活動をKPIとして数値で管理することによって、どの程度の効果が出ているのかも明確になります。目標値の定め方は自社の規模や商材、フェーズで異なりますが、KPIは緩すぎず高すぎない目標を立てるようにしましょう。
また、KPIは一度立てたらそのままにするのではなく、定期的な見直しをしましょう。
まとめ
今回は、新型コロナウイルスの影響で変容を迫られている新規開拓営業について解説しました。最近では、相手のもとに足を運ぶ従来の営業方法ではなく、オンラインでアプローチする営業スタイルも増えてきています。オンライン営業では、マーケティング的な視点を持ち顧客へのアプローチをすることが重要です。
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