icon

「最適なサービスで一歩先行く組織へ」ビジネスに伴走する課題解決メディアCHECK!

営業ロープレはなぜ必要?目的と効果的な実施方法を解説

営業ロープレはなぜ必要?目的と効果的な実施方法を解説

この記事ではロープレを実施している営業マネージャーの方や、実際にロープレに取り組んでいる担当者の方に向けて、ロープレの重要性と効果的な実施方法を解説しています。

練習相手を実際の顧客と仮定し、現場を想定したコミュニケーションを取る「ロープレ」は、営業活動をしている方のほとんどが一度は経験をしているのではないでしょうか。
ロープレは事前のシミュレーションにより本番に備えられる一方で、実施目的が不明確だったり効果的なやり方が分かっていないと、形だけのものになってしまうこともあります。

このような課題を解決するべく、この記事ではロープレを実施している営業マネージャーの方や、実際にロープレに取り組んでいる担当者の方に向けて、ロープレの重要性と効果的な実施方法を解説します。

ロープレの必要性

そもそも、ロープレを実施する必要性はあるのでしょうか。
「ロープレは意味がない」「ロープレをするくらいなら実際の商談での同席を増やした方が慣れるし、生産性がある」
このような意見も営業担当者によっては出てくることがあります。

ですが、結論から言うとロープレは「営業活動の成果を上げる」ためには必要です。その理由をお話する前に、ロープレの概念について簡単に解説します。

ロールプレイングとは

ロープレ(ロールプレイング)とは「role(役割)」と「playing(演技)」という英語をそのままカタカナに変換したものです。日本語にすると「予行演習」のニュアンスに近く、今後起こり得る状況を想定した上で、それに備えるための訓練をします。この「Role playing」という言葉は英語圏でも同じ意味合いで使われており、営業トレーニングのメニューの1つとしても認識されています。

期待できる効果

それでは、ロープレはなぜ営業活動の成果を上げるために役立つのでしょうか。その理由としては、ロープレを実施することでプレイヤー側、フィードバック側それぞれにプラスの効果が期待できるためです。

プレイヤー側のメリット

・ロープレをすることで引き出しが増え、提案の質向上ができる
・実際に同じ状況になったとき素早く適切に対応できる
・練習するテーマの理解が深まる
・ロープレをきっかけに、そのテーマや状況について自分なりに考えるようになる
・先回りして想定する癖づけができる

フィードバック側のメリット

・一人一人の得意不得意が見えてくる
・個々に合った課題の対策により成長スピードを上げられる
・後輩や部下の抱える課題が可視化されるため、効果的/効率的な育成ができる

上記のように、育成される側・する側双方に効果が期待できます。会社にとっても人材は今後の発展の資源であるため、人材の質担保・向上に繋げられるロープレはメリットがあると言えるでしょう。

営業におけるロープレ

それでは、営業におけるロープレにはどのような目的と種類があるのでしょうか。

目的

営業ロープレの目的は、営業活動の事前訓練を行うことで顧客対応の質を上げ、結果的に案件の成約率、営業予算の達成率を上げることです。
そのためには、(1)顧客の懸念点払拭、(2)顧客に合った良質な提案の2点をクリアする必要があります。

プレゼンの練習をすることで提案内容や話し方のブラッシュアップができるだけでなく、ロープレをすることでヒアリングや質疑応答の対応、懸念点やネガティブな意見に対する切り返しといった、より実践的な顧客対応のクオリティを上げることができるのです。

営業ロープレの種類

営業ロープレには、以下の4つの実施方法があります。

(1)ケース型

最も一般的なケース型ロープレは、予め状況設定を行った上でロープレを実施します。
顧客の業種・業態、抱えている課題など人物像を細かく設定し、顧客役と営業役に分かれます。1対1で実施する場合もありますし、グループで行う場合もあります。

ケース型ロープレを効果的に行うためには、制限時間とゴール設定をする必要があります。
大きく分けると、以下の4段階に分けられます。

1.   アポ獲得
新規開拓の場合には、アポ獲得をゴールに設定しロープレを行います。架電やアポの獲得に慣れることが課題の営業担当者に効果的です。ロープレをもとにテレアポのトークスクリプトをパターン別に複数用意したり、ブラッシュアップをすると良いでしょう。

2.  ヒアリング
アポ獲得は出来てきたものの、提案へ進めない課題がある場合にはヒアリングをテーマにロープレを実施すると良いでしょう。
スムーズに提案に移れないような場合は顧客の温度感が高くないため、BANT(予算・決裁権・必要性・導入時期)のような情報を単に聞くだけでは不十分です。そういった状況から、顧客でも気付いていないような課題を見つけ出して提案につなげるためには、仮説をもとに探りを入れてみるなど、高度なヒアリング力が必要です。そのためロープレ時にも顧客の状況や課題をできるだけ具体的に設定した上で実施し、ヒアリングのコツについてはベテランの営業にアドバイスを求めてみましょう。

3.  提案・商談
実際の商談を想定したプレゼン〜商談のロープレでは、提案内容や商談時の受け答えの様子、自社や業界、サービスへの理解度をチェックします。事前情報を設定しておくか、アプローチ中の顧客からのヒアリング内容を基にして提案を行います。このとき、受注したい目標の商品をフィードバック側に伝えておくことで共通認識が取れ、適切なアドバイスがしやすくなります。

4.  クロージング
成約率を上げたい場合は、最終提案のフェーズであるクロージングのシミュレーションを行います。金額や導入に向けたスケジュールなどの合意を取り、顧客からの質問事項に適切な回答ができるかどうか、顧客の懸念点を払拭して納得してもらえるかどうかがポイントです。

(2)グループワーク型

営業役、顧客役、オブザーバーといった役割を交代しながら実施する方法です。
メリットとしては、顧客役だけでなく第3者視点であるオブザーバーからのフィードバックを得られるため視野を広げることができます。
グループで役割を交代しながら実施することで、役割ごとの視点で見ることができるのでお互いの良さを吸収しやすい上、社員同士のチーム力醸成にも繋がります。

(3)問題解決・対処型

過去の事例や実際に起きている課題をテーマにし、課題解決力や対応力を鍛えます。
例えば「契約プランを途中で解約したいというクライアントがいた場合、どのように契約継続につなげるか」のようなテーマが挙げられます。

(4)モデリング型

トップセールスや先輩社員の商談シーンをロープレや動画などで確認し、それを真似て実施するパターンです。スクリプトがある場合には、それを台本にして実施し、良い点を吸収します。

ロープレの効果を発揮させるコツ

それでは、ロープレの効果を最大限発揮させるためにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

ロープレ前

ロープレ前は以下の準備をしておきます。

設定、想定顧客情報の用意

どのようなクライアントに対し、どのような提案内容やゴールにしたいかなど細かい設定をしておきましょう。アプローチしたい顧客がいる場合には、その顧客をモデルにするとイメージがわきやすいです。

課題・苦手なスキルの共有

ロープレ研修前には、課題や苦手なポイントをあらかじめ実施メンバーで共有しておきます。課題を共通認識しておくことで、その点にフォーカスしたロープレ内容の実施や、適切なフィードバックができます。

録音・録画の準備

ロープレ終了後に自身と顧客役の発言を振り返るため、録音や録画をするのがおすすめです。スマホの音声メモや、オンライン商談ツールの場合は録画機能が使えるか確認しておきます。

懸念点を払拭できる提案内容の検討

顧客の懸念点払拭は成約の決め手にもなり得るため、良質な提案内容を考える上で重要です。
広告界のノーベル賞と言われる『マックスウェル・サックハイム賞』の由来となった人物、マックスウェル・サックハイムによれば、顧客に提案をする際には以下の3つの心理を突破する必要があるとのことです。

・「聞かない(見ない・読まない)」
・「信じない」
・「行動しない」

提案内容を考える際には、上記を参考にすると良いでしょう。
「聞いてもらう」ために興味関心を引き出すフレーズ、「信じてもらう」ために自社の実績やあなた自身の成果など具体的な数値や成果物を用いて盛り込みます。そして、「行動してもらう」ために、顧客の予算感とニーズにマッチしたプランの選定や、顧客のボトルネックを自社が解決できる根拠を見つけておくことが重要です。

ロープレ中

実際にロープレを実施する際には、営業役をするプレイヤー側、顧客役やオブザーバーを務めるフィードバック側それぞれで以下の点に気を付けましょう。

プレイヤー側

・恥ずかしがらない、割り切る
・話し方や話すポイント等、先輩方のマネをする

フィードバック側

・レベルにあったロープレを行う
・クライアントの設定を明確に確認した上で演じる

ロープレ後

ロープレ実施後は、記憶の新しいうちに実施者同士でフィードバックを行いましょう。また、録音や録画をしている場合は自分自身でも振り返りをします。

フィードバックはすぐに行う

可能であればその場で、遅くてもお互い記憶が鮮明なその日のうちにフィードバックをしましょう。より多くの良い点・改善点をシェアでき、ロープレ効果を最大限に発揮できます。

録音内容を聞き返し、良かった点と改善点をピックアップ

これは実際の商談時にも使えるテクニックで、自分が話すものはもちろん、他人が話すものでもOKです。特に他人が話すものは話し方・内容・自社サービスの訴求ポイント等、他の担当者がどのような切り口で話すのかを知ることができるため提案の幅が広がります。

苦手意識がある場合はどうすればいい?

最後に、実施者がロープレに苦手意識を持つ場合はどうすればいいでしょうか。
実際にGoogle検索で「営業 ロープレ」と打ち込むと、以下のような関連キーワードが出てきました。

このような心理が生まれてしまっている理由と、それを解決する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。以下の2点が考えられます。

課題が明確でない

ロープレをプレイヤー側で参加する営業担当者の課題や目指すもの、習得したいスキルなどが明確でないと、消化試合のようなロープレになってしまいます。まずは資料に沿ってうまく話せるようになりたいのか、ヒアリングした上で提案できるようになりたいのかなど、プレイヤーの課題が明確になってから実施することが解決の手立てです。

「ロープレのためのロープレ」をしてしまっている

実施すること自体が目的になってしまうことで、プレイヤーの義務感が生まれてしまい苦手意識に繋がるパターンです。解消するためには、ロープレは「しなければならないもの」ではなく、「現状をよくするために必要なもの」という認識を、プレイヤーだけでなく指導者・管理者側も持つ必要があります。

何のためのロープレなのかをプレイヤー側・フィードバック側で共通認識を持つために、課題の明確化とこまめなコミュニケーションを行いましょう。

まとめ

営業ロープレは適切に取り組めば、本番でも焦らず落ち着いた対応ができるようになるだけでなく、予め準備をしておくことでトーク力や提案の質向上などスキル面の成熟も期待できます。ご紹介した実施方法とポイントを活かして、自身の営業スキル向上や企業・組織の営業力底上げにつなげて下さい。
オンラインの場合は録画機能を搭載したツールもあるので、振り返りの際に活用するのもおすすめです。

録画機能搭載のオンライン商談ツール『RemoMee』