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AI・機械学習でシステム運用管理を自動化できる? 企業の競争力強化のために今こそ導入すべきAIOps

AI・機械学習でシステム運用管理を自動化できる? 企業の競争力強化のために今こそ導入すべきAIOps

ITインフラやソフトウェアの進歩に伴い、システムは複雑化し運用管理者の負担は増大しています。こうした中、AIを活用したシステム運用手法「AIOps」が今、注目を集めています。「AIOps」によってシステム運用はどのように変わり、ビジネスにはどのようなインパクトがあるのか。AIOps機能を備えたIT運用管理プラットフォーム「OpsRamp」を提供するVistaNet株式会社の岡本健さんと、株式会社リンクでシステム運用サポートサービスを担当する山本誠一郎にAIOpsの“今”を聞きました。

1.システム運用管理を効率化するAIOpsとは

――システム運用管理で最近、AIOpsが話題となっています。そもそもAIOpsとはどういうものなのか教えてください。

岡本 AIOpsは「AI」と「IT Operations」を組み合わせた言葉で、2016年に米国のガートナー社が提唱しました。AIという言葉の通り、ビッグデータの分析や機械学習などを活用することで、システムの可用性やパフォーマンスの監視、イベントの相関付けと分析、ITサービスの管理と自動化など、IT運用を効率化するものです。

弊社では10年前から米国OpsRamp社が開発したAIOpsソリューションである「OpsRamp」を日本で展開してきました。OpsRamp社は昨年ヒューレット・パッカード エンタープライズに買収され現在はHPEのサービスとなっています。10年前に比べてシステムの基盤というのは複雑化しています。今までシンプルなサーバで構成されていたのが、仮想化やクラウド、マイクロサービス化などシステムを構成するコンポーネントが多様化し、従来の監視が困難な環境となっています。監視・運用の中で生成されるデータも膨大になっており、もはや人の力だけでは運用管理しきれない状況になりつつあるのです。そうした環境の複雑性に対応するためにIT運用管理も進歩させよう、というのがAIOpsの役割です。

ただ勘違いしてほしくないのは、AIOpsを導入すればシステムを運用する人がいらなくなるというわけではありません。あくまで、拡大、複雑化しているシステムを人が今までより効率的に管理できるように、AIによって整理したり自動化したりするという位置づけになります。

山本 ジョブ管理、性能管理、構成管理、セキュリティ管理、ワークフロー、ナレッジ、RPA、RBA、分析など、システム運用を効率化するツールというのはいろいろとありますが、それぞれを連携・結合するには苦労があったりします。AIOpsはあらゆるツールのデータを集約して管理するので、一つのプラットフォームで運用を統合的にカバーできるという点も良いですね。OpsRampのようなサービスがあることでAIOpsを導入しやすくなったというのも、注目を浴びている理由だと思います。

2. AIOpsが拓く新たな可能性

――AIOpsを導入することでどんなメリットがあるのでしょうか。

岡本 一番は効率化でしょうね。今まで人が一生懸命、長い時間をかけて対応してきたようなものを、より大量なデータに対しても短時間で処理できるようになります。作業時間が短縮されることで、これまでアラートの対応で手一杯だったオペレーターの負担が少なくなり、時間的な余裕も生まれます。

山本 人への依存度を減らせるというのは、人材の確保や定着が問題となっている現在では大きなメリットになると思います。

例えばこれまで月にアラートを100件対応していた現場で、200件処理できるようにする方法といえば、人を倍に増やすことでした。エンジニアの採用が容易だった時代はそれが現実的でしたが、現在はどの会社も採用に苦労していますし、採用できたとしても人件費や離職の課題が残ります。

そこに選択肢としてAIOpsが出てきた。これまではアラートが上がれば、対処は単純だったとしてもそこには人が必要だったわけです。それをAIOpsで自動化・効率化できるとなれば、新たに人を増やさなくてもいいとなるかもしれません。

岡本 AIOpsの導入は運用の役割そのものを大きく変えと思います。運用担当者に余裕が生まれることで、アラートを再発させないための根本解決や、事業拡大のためにシステムをどう改良すればいいのかといった、企業の発展に関わる業務に取り組むことができます。ただ単にシステム運用担当者の日々の業務が楽になるということではなく、効率化によって生まれたマンパワーをビジネスへの貢献に向けられるのは、会社全体にとって大きなメリットですよね。

山本 現場はとにかく余裕がないので、とりあえず対応して終わり。復旧したけど、根本解決してないので同じアラートが来週も発生する、といった、必要だけど、終わりがない作業があったりします(笑)。そういった作業は定型化してしまう為、課題として優先度が上がることもなく、日常的に処理される状態になってしまっている会社は本当に多いと思うんです。

すでに運用の現場は限界に近づきつつあって、AIOpsなどで効率化していかないとビジネスを継続していくこと自体が困難になっていくのかなと思っています。
――AIOpsを導入する際に注意するべきポイントを教えてください。

岡本 自社の解決したい課題が何かをしっかり考えることが大切です。AIOpsも定義が広いので、AIOpsのサービスだといっても、それぞれできることや得意分野が結構違います。クラウドのAWSやAzureは得意だけどオンプレミスは苦手とか、イベントの相関付けとその分析は強いですとか、千差万別です。

AIOpsというだけでとりあえず導入してみたら自社の状況に合っていなくて、うまく活用できないということも有り得るわけです。そうならないためにも、企業の課題や環境に合わせたアセスメントが大事になります。

山本 導入さえすれば解決できるというわけではないので、AIOpsを使って何をどうしたいのかをしっかり考えておかないとダメということですよね。どういうデータを使って、どうパフォーマンスを引き出すかによって運用の質やチームの形も大きく変わってしまう。

岡本 あとAIはどうしてもブラックボックスになってしまうという側面がありますね。AIOpsはAIによる機械学習が大きなポイントですが、AIのアウトプットに対して「なんでそうなったの?」というのがある程度検証可能じゃないと、AIが間違った判断をした時に対処が難しくなってしまいます。どのようなモデルで学習するのか、間違った学習をしてしまった時にリセットできるか、などは事前に確認すべきポイントだと思います。手前味噌になりますが、OpsRampでは、導入のご相談をいただいた際にブラックボックス部分とそうでない部分はきちんとご説明するようにしています。

3.将来的な企業の競争力強化を見据えてAIOpsの検討を

――AIOpsは今後、広がっていくのでしょうか。

岡本
 インフラの世界でもサーバ、仮想化、ネットワークやセキュリティと、様々な要素が絡み合いながら技術はどんどんアップデートされています。恐らく今後、管理するシステムが増え、さらに複雑化していくことは間違いありません。そう考えると、今後も安定してサービスを提供してくためには運用を効率化せざるを得ない状況になることは明らかです。すでにシステム運用管理ツールの世界では、AIを活用して効率化できますと言えないツールは生き残る術がないところまできています。数年後にはシステム運用管理ツールとしてAIOpsを当たり前のように使うところまで広がっていくと考えています。

山本 MSP(マネージド・サービス・プロバイダ)でもAIOpsを活用するケースというのはこれから増えていくはずです。

基本的に労働集約型であるMSPにとって、人件費は非常に重要です。監視対象のシステム規模が大きくなったり、機能が増えたり、運用に求められる質が高くなれば、担当する範囲や人が増えることになるので必然的にコストも高くなってしまいます。それがAIOpsを取り入れれば、少ない人数で効率的な運用ができるようになるので、価格を抑えながらも質の高いサービスを提供できるようになります。

実際に働く運用メンバーにとっても、単純作業から解放されて仕事の内容や質が変わってくるので、やりがいが向上するでしょうしキャリアにもプラスになると思います。MSPを運営している者としては、AIOpsが当たり前のように使われる時代が来るのは、非常にいい流れだと感じています。

岡本 どんなツールでもノウハウが蓄積されることで、ベストプラクティスが導き出されるように、AIOpsの運用にも最適解を導きだすノウハウというのもが当然あります。

リンクさんのように膨大なサーバを管理・運用してきた会社には普通のシステム管理者では持ち得ないような、知見やノウハウがあります。そういう会社がAIOpsを上手に活用してベストプラクティスを導き出すことは、リンクさんのMSPを利用しているお客さまにとって大きなメリットになりますよね。

山本 実際に今、リンクが提供しているMSPサービスの「ベアサポート」でOpsRampを使った新たなサービスの検討を岡本さんと一緒に進めているところです。AIOpsの導入ハードルを下げるためのコンサルティングや、課題に応じて標準化したパッケージを提案できるようにしたいと考えています。OpsRampでやれることは非常に多いのですが、まずはライトにAIOpsを取り入れてもらって、その効果を体験してメリットを感じてもらい、他の機能も使ってみようと思ってもらえるようなサービスを目指しています。
――最後にAIOpsの導入を考えているシステム運用管理者メッセージをお願いします。

岡本 会社を経営する上で、システムは人材と並ぶ最重要ファクターとなっています。今や大小の差はあってもシステムを使わずに経営している会社というのはないわけで、システムの活用・効率化が経営の肝になります。経営という視点からもAIOpsの重要性を理解していただき、導入に向けて進んでいただけるような取り組みを、リンクさんと一緒に進めていきたいです。

山本 今後、システム運用に関わるエンジニアの採用はますます難しくなります。今の状態を維持するだけでも、1人の人間が今の1.5倍とか2倍のシステムを管理しなければならない可能性もあるわけです。

システムに対して十分な人員を配置できる時代はもう終わり、今後はAIOpsを使わないと、質の高いシステム運用の実現が難しくなるような状況はすぐ目の前に迫っていると思います。質が高く安定したシステムやチームを維持し続けるために、AIOpsの導入は前向きに検討するべき時でしょうね。

岡本 弊社がAIOpsのサービスを提供しているということを差し引いても、AIOpsの導入はもう待ったなしだと考えています。今は問題なくシステムを管理・運用できていたとしても、将来的に会社の競争力強化のためにシステムを増強しようとなったときに、山本さんもおっしゃるように運用の人数を増やして対応するのは難しいですよね。

いざ課題に直面してからAIOpsを導入しようとしても、事前の準備から実際の運用までに時間がかかってしまいます。AIが学習をする期間も必要ですし、使いこなすノウハウも必要になりますから、なるべく早く対応を考えていった方がいいと思っています。

弊社としてはお客さまの課題をお伺いして、AIOpsを実現するためにOpsRampをどう使えば効果が出せるかといったご提案をさせていただきますので、ぜひ気軽に相談してほしいですね。

インフラ運用を24時間365日サポート|ベアサポート

インフラ運用を24時間365日サポート|ベアサポート

24時間365日、システム運用のプロフェッショナルとして、インフラ運用に関わるすべてをサポートします。

VistaNet株式会社<br>
執行役員<br>
岡本健

VistaNet株式会社
執行役員
岡本健

上智大学理工学部卒業後、国際デジタル通信、ソフトバンクIDC、JBSにて、データセンターおよびクラウドの技術企画、保守運用業務を歴任。JBSでは、本部長としてOpsRampの大規模導入を指揮。現在、VistaNetにて、OpsRampの営業・コンサルタントを担当。

株式会社リンク<br>
サポート部<br>
山本誠一郎

株式会社リンク
サポート部
山本誠一郎

インフラエンジニアとしてキャリアをスタート。MSP(マネージド・サービス・プロバイダ)、システムインテグレーション、コンサルティングなどの経験を経て、2014年に株式会社リンクへ参画。自社サービスとなるリンク ベアメタルクラウド、サポートサービスの立ち上げに携わる。インフラや運用に関する幅広い知識と経験をもとに、自社サービスやお客さまシステムの安定稼働を支援している。