カスタマーサクセスツールのメリットとは?事例をもとに代表的な導入効果を徹底解説
近年増加しているサブスクリプションサービスを継続利用してもらうには、カスタマーサクセスが重要であると言われています。しかし、日本ではカスタマーサクセスは浸透し始めた段階で、本格的に取り組めている企業はまだ多くはないでしょう。そこで活用したいのがカスタマーサクセスツールです。カスタマーサクセスツールを活用することで、効率的かつ的確な顧客支援が可能となります。
この記事では、カスタマーサクセスツールの導入メリットやその効果について事例を交えながら解説します。
1. カスタマーサクセスツールを導入する5つのメリット
なぜツールの利用が効果的なのでしょうか。
ここでは主な導入メリットを説明します。
メリット1
大量の顧客に対して、画一的な対応を少人数で行える
サブスクリプション型やSaaS型のサービスでは、新規顧客を獲得することと同等以上に顧客の維持(継続利用)が重要です。理由としては、パッケージ型やオンプレミス型と異なりSaaS型のサービスは単価を抑えた月次もしくは年次契約であり、投資を回収して収益を維持拡大するためには継続利用が必須となるためです。
一方、新規契約数が増加すれば、対応すべき顧客数も増加します。カスタマーサクセスツールでは、顧客に関するすべての情報が一元管理されると同時に、対応の優先順位づけやデータ分析をシステムが自動で行います。そのため、担当者ごとに判断基準や確認項目が異なることがなく、顧客に対して画一的な対応を行うことができます。また自動化によって業務負荷が減少するため、少人数でも多くの顧客に対応することができます。
メリット2
解約率の低減やアップセルにつながる
顧客に継続利用して貰うには、サポートが必要なタイミングで、適切なコミュニケーションをとることが重要です。たとえば、サービスへのログイン頻度が以前と比べて減少してきた、利用時間が短くなった、などの変化があれば、サービスを活用できておらず解約の可能性が高くなっていることを示しています。カスタマーサクセスツールでは、このような状態の変化を自動的に察知してアラートを通知するため、タイミングを逃さずに必要なサポートを行い、解約率を減少させることができます。
また、逆に利用時間が長くなってきた、機能の利用頻度が高くなってきた、などの変化が起きていれば追加のプランを提案するなどのアップセルの機会を掴むこともできます。
メリット3
優先対応すべき顧客を見極め、ROIを高められる
対応の効率化を図っても電話や対面でのサポートは需要が高く、物理的に対応できる顧客数には限りがあります。そのため、優先対応すべき顧客を見極めることもカスタマーサクセスを成功させるために必要な要素の一つです。カスタマーサクセスツールのヘルススコア機能を利用すれば、優先対応が必要な顧客を的確に見極められ、ROIの高い活動を行えるようになります。
メリット4
複数部門に分散した情報を一元管理できる
顧客情報を持つ部門が複数部門やチームにまたがっている企業もあるでしょう。契約内容は営業部門が把握しているでしょうし、利用に関する問い合わせ情報はサポート部門が管理しているかもしれません。顧客の状態を正しく理解し、適切なコミュニケーションをとるためには関連するすべての情報の一元管理が必要です。カスタマーサクセスツールを利用することで、これらの情報を集約して管理できます。
メリット5
各データや指標をダッシュボードでリアルタイムに確認できる
多くのカスタマーサクセスツールでは、契約状況などの各種データや指標をリアルタイムに確認できるダッシュボード機能やレポート機能を搭載しています。この機能を利用すれば、顧客全体の契約状況や利用状況を把握することができるため、施策の効果検証が行いやすくなり、PDCAサイクルを迅速にまわすことに繋がります。
2. カスタマーサクセスツールの導入事例と導入の効果
ここでは、カスタマーサクセスツールの導入事例を紹介します。
対応可能人数が倍増し、解約率が半減
カスタマーサクセスへの取り組みを始めたばかりの企業では、エクセルを利用して顧客の契約情報やコンタクト履歴を管理している場合も少なくありません。エクセルは多くの従業員にとって使い慣れたツールですが、情報の集約化が難しく、データ解析にも時間がかかるため、顧客数が増加すれば対応しきれなくなってしまいます。
ある企業では、エクセルを使った取り組みであったため対応できる企業数が限られてしまい、一定数以上の利益拡大が見込めなくなってしまいました。また、顧客数の増加により手が回らずに、解約率が増加してしまったという課題も発生しました。そこで、カスタマーサクセスツールを利用して、データ管理の簡易化を実施しました。さらに、カスタマーサクセスツールの分析機能を利用することで対応すべき顧客が可視化され、対応可能数が倍増、同時に解約率も半減することができました。
データ分析の精度とスピードを向上させ、業務時間の55%がプロアクティブな対応に
顧客の定着率を高めて利益に結び付けるためには、いかに早く顧客のニーズを察知して対応し、顧客から価値と信頼を得られるかが重要です。
ある企業では、顧客の利用状況をリアルタイムで把握できるように、カスタマーサクセスツールで自社にあわせたヘルススコアを設定しました。また、ダッシュボード機能を活用して定期的に効果測定を行い、優先して取り組むべき課題の把握と対応ができるように仕組み化しました。その結果、カスタマーサクセスチームの業務時間のうち、データ解析に利用する時間は10%のみにとどまり、55%をプロアクティブな対応に充てられるようになりました。この変化により、顧客全体のヘルススコアが15ポイント、NPS®️は27ポイント上昇しました。
社内の体制を見直し、顧客への対応・提案力を強化
カスタマーサクセスツールの導入メリットは、ツールが提供するカスタマーサクセス業務の型やツール提供会社のノウハウを活用することにもあります。複数部門でカスタマーサクセスに取り組むことができる企業の場合、リソースが十分な一方で、各部門やチームの機能が明確化できておらず、非効率的な業務体制になっていることがあります。
ある企業では、顧客数の増加により組織体制の在り方の見直しが必要と判断し、ツール会社が提供する機能とフレームワークを参考にして、各担当の機能と業務を整理しました。その結果、横の連携が確立し、顧客への対応力を向上させることができました。
カスタマーサクセスを強力に支援するCustomerCore
CustomerCoreは、基幹システムやCRM/SFAにある顧客関連データやメールなどのコミュニケーションデータを集約し、システムがそれらのデータを自動巡回することによって、顧客の状態変化をタイムリーに把握することができるシステムです。以下の特徴があります。
● “カスタマーサクセスに必要な形” で顧客情報を可視化
CustomerCoreでは、カスタマーサクセスを実行するために必要な顧客の状態を可視化する切り口があらかじめ定義されており、顧客データが可視化されています。そのため、どのような切り口で顧客情報を確認し、分析するかのノウハウがない企業でもすぐに効果検証を行うことができます。
●コミュニケーション履歴を含めた、あらゆる顧客情報の一元管理
契約情報などの営業活動データや、顧客の行動データ、各担当者が行ったコミュニケーション履歴などすべてのデータを一元管理できます。膨大なデータを個別で管理したり、集約したりする手間がないため、業務効率を大幅に高めます。
●膨大なデータをシステムが自動で巡回し、アラート通知
集約した顧客データは、メールのやり取りも含めてシステムが巡回して確認しています。顧客の状態に変化が生じた時は、タイムリーに担当者にアラートを通知するため、スピーディに顧客対応することができます。
また、アラートにはタスクを設定しておくことも可能です。併せて担当者のタスク量と遅延をダッシュボードで把握することができるため、リソース配分にも役立ちます。
3. まとめ
この記事では、カスタマーサクセスツールの導入メリットについて、事例を交えて解説しました。カスタマーサクセスの取り組みを進めている企業の中には、増加する顧客への対応に課題を感じている企業も多いでしょう。カスタマーサクセスツールは、カスタマーサクセス業務を円滑化するとともに、その効果を最大化することを目的に作られたツールです。活用することで解説したように多くのメリットを得られるでしょう。ぜひ自社に最適なツールの導入を検討してみてください。