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“カスタマーサクセスの本質”とは? 「何をすればいいか分からない…」お困りの担当者へ伝えたいネクストステップ

“カスタマーサクセスの本質”とは? 「何をすればいいか分からない…」お困りの担当者へ伝えたいネクストステップ

この数年で、日本ではカスタマーサクセスが注目を浴びるようになりました。株式会社リンクでは、カスタマーサクセスはどれほど浸透しているのか、今現在はどんなことが課題となっているのかなどカスタマーサクセスに関する意識調査を実施。この調査結果をもとにカスタマーサクセスに詳しい弊社の内木場健太郎が、最新のカスタマーサクセス事情を解説します。

〈調査概要〉
カスタマーサクセス支援ツール「CustomerCore(カスタマーコア)」やクラウド型 CTI / コールセンターシステム 「BIZTEL(ビズテル)」 など、さまざまなサブスクリプションサービスを展開する株式会社リンクがIT 企業の経営層・マネジメント層を対象とした「カスタマーサクセスに関する意識調査」を実施しました。
調査方法        :インターネット調査
調査主体        :株式会社リンク
調査期間        :2022年6月16日(木)- 2022年6月20日(月)
調査対象        :IT企業に所属しているマネジメント層/経営層
調査対象地域:全国
回答数          :400

▼配信されたリリースはこちら

IT企業の経営層・マネジメント層400名を対象としたカスタマーサクセスの意識調査 - LINK Watch!

IT企業の経営層・マネジメント層400名を対象としたカスタマーサクセスの意識調査 - LINK Watch!

「カスタマーサクセス」の認知度は5割以上にのぼり、その中で約7割が「事業戦略として重要」と考えていることが判明一方で、「人員不足」や「専門部門がない」など、人員・組織に関する課題が浮き彫りに

1.多くの人が関心を寄せるカスタマーサクセス

―今回の調査で「カスタマーサクセスという言葉を知っている」方が5割を超えました。さらに「知っている」と回答した方の内、「カスタマーサクセス」を理解している人は約8割に達しています。内木場さんはこの割合をどう見ていますか?

 リンクでは、2021年の1月にもカスタマーサクセスに関する意識調査を実施しました。そのとき「カスタマーサクセスという言葉を知っている」方は、カスタマーサクセスと親和性の高いIT業界を対象としているにもかかわらず、わずか28.6%しかいませんでした。約1年半の間に2倍近く増えているということは、それだけ「カスタマーサクセス」が浸透してきた証だと思います。なにしろ、数年前までは「カスタマーサクセス」という単語を知っている人の方が珍しかったくらいでしたから……。ようやくここまで広く認知されるようになったことをカスタマーサクセスに深く関わっている者として、とても嬉しく感じています。
Q1.「カスタマーサクセス」という言葉を知っていますか。
(IT企業に所属しているマネジメント層・経営層 400名/単一回答)
 現在のカスタマーサクセスの取り組み状況を見ていると、「カスタマーサクセスの言葉を知っている」と回答した方のおよそ半数が「現在取り組んでいる」状況です。その一方で、カスタマーサクセス専門の部門・組織があるかという問には、約6割の方が「ない」と回答しています。カスタマーサクセスは会社全体で進めるものなので、本来専門の部門や組織がないとしっかりとした取り組みはできないはずです。
 この2つの回答から「問い合わせ対応などのサポート業務を通じて顧客満足度を上げていく業務」や「契約更新月の近いお客さまにアプローチをして、解約を阻止する活動」などをカスタマーサクセスとして捉えているのではないかと推測できます。確かにカスタマーサクセスが2018年にアメリカから日本に入ってきた当初は、解約率を下げるための活動というイメージが強かったこともありますが、それはあくまで手段の一つであって、カスタマーサクセスの本質ではありません。
 これまでは、まず「カスタマーサクセス」という言葉を知ってもらう、認知してもらうことが大切だと考えていましたが、今回の調査でその段階には到達したことがよく分かりました。これからは普及、定着に向けて、カスタマーサクセスの本質を正しく理解してもらうという次のステップに進む時期が来たということではないでしょうか。
Q4.現在の「カスタマーサクセス」の取り組み状況を教えてください。
(Q1.で「カスタマーサクセス」という言葉を「知っている」と回答した209名/単一回答)
Q7.「現在取り組んでいる」と回答した方に伺います。「カスタマーサクセス」部門・組織はありますか。
(Q4.でカスタマーサクセスに「現在取り組んでいる」と回答した95名/単一回答)

2.カスタマーサクセスの課題が浮き彫りに

―カスタマーサクセスの課題として、「現在取り組んでいる」と回答した方と「カスタマーサクセスに取り組む予定がない」と回答した方の共通課題として、知識を持った人員やノウハウの不足があげられます。これは先ほど内木場さんが言われた「カスタマーサクセスの本質を理解する」ということと関係があるのでしょうか。

 カスタマーサクセスに関してノウハウや成功事例の情報が足りないという声が本当に多いですし、私自身もそう感じていました。今回の調査で改めて、その事実が証明された形です。
 カスタマーサクセスの認知度が上がったことで、私の担当しているカスタマーサクセスツール「CustomerCore」の導入を検討したいというお問い合わせも徐々に増えてきています。ただお客さまとお話を進めて行くと、「自分はカスタマーサクセスを担当しているけれども今やっていることが正しいかどうか分からないので判断してほしい」とか、「他社はどんな進め方をしていますか?今後どう進めたらいいのでしょう?」という具合に、ツールの機能を説明するよりもカスタマーサクセスそのものについての相談を受けるケースがよくあります。
 2018年に日本に入ってきたカスタマーサクセスは、これから本格的に広まっていくというタイミングで新型コロナウイルスが流行し、情報交換をする機会やコミュニティをまったくと言っていいほど作れませんでした。その影響もあって、今も情報や成功事例がなかなか表に出てきません。ノウハウや専門の知識を得ようと思っても、書籍やWEBくらいしか情報源がないのが現状です。しかも、カスタマーサクセスの教科書とされる『青本』でさえもアメリカで出版されたのは6年前ですから、基礎知識としてはいいのですが、それを実践するにはアップデートされた情報が必要になっています。こういったことが、ノウハウがない、知識のある人が少ないという状況に陥っている要因となっています。
Q6.「現在取り組んでいる」と回答した方に伺います。「カスタマーサクセス」の取り組みに関する課題は何ですか。
(Q4.でカスタマーサクセスに「現在取り組んでいる」と回答した95名/複数回答)
Q13.「カスタマーサクセスに取り組む予定はない」と回答した方に伺います。なぜ取り組まないのでしょうか。
(Q4.でカスタマーサクセスに「取り組む予定はない」と回答した20名/複数回答)
―情報がなかなか手に入らない状況で、カスタマーサクセスを進めるためにはどうしたらいいのでしょうか。
 
 最善の方法は専門家を頼ることだと思います。カスタマーサクセスのコンサルタントや、私達のようなツールベンダーでもいいと思います。まだ、ツールのことなんて考えられないという状況でも構いません。今の日本ではカスタマーサクセスの進め方は知らなくて当たり前です。分からないからと諦めたり、躊躇したりするのではなく、まずは一歩を踏み出してほしいと思います。きっと何が分からないのかも分からないという人が多いはずなので、「壁打ち」でもいいので、気軽に相談に来てほしいですね。

3.カスタマーサクセスの効果とは

―カスタマーサクセスに取り組んでいる方の約6割以上が効果を実感しています。カスタマーサクセスを導入するとどんな効果があるのでしょうか。

 「カスタマーサクセスツール」の機能の中でお客さまが興味をもたれているものは、「顧客データの可視化」が63.2%で断トツの1位となっています。実はこれこそがカスタマーサクセスの本質と深く関わっていて、顧客データを活用することで未来を予測してお客さまの困りごとを先回りして解決する。それがLTVの最大化や売上の増加につながるわけです。
 例えばWEBサービスを提供している会社であれば、お客さまのログイン率をスプレッドシートに集計してログイン率が低い会社のなかから、売上の高い上位10社をピックアップし、コンタクトをとって解約を阻止するといった活動などは多くの方が行っているはずです。ただこのやり方ではお客さまがこのサービスを必要としなくなっている“今“の状況が分かるだけで、すでに手遅れになっているケースが多いですよね。
 カスタマーサクセスでは今の数字よりも、変化のタイミングがすごく重要です。変化には必ず理由があるからです。ログインが急激、あるいは増加傾向にあるタイミングでお客さまにコンタクトをとってみたら「ちょうど相談しようと思っていました」と、新たな商談につながったりすることがあります。逆に利用が下がっているお客さんに対しては「プランを下げてみませんか」と提案をすることもあります。一時的には売上が下がったとしても、長期的に使ってもらうために最適な提案をしていくことで、お客さまから信頼を得て評判が上がり、それが口コミとなって新規のお客さまが増え、結果として売上が伸びていく。これがカスタマーサクセスの本質です。
 カスタマーサクセスにはデータが重要であることは言うまでもありません。とはいっても、今は別々に管理されている顧客データを一括管理に切り替えるには膨大な時間がかかります。さらに、そのデータを管理・分析し、全社を上げてお客さまに的確にアプローチできる体制を作り上げるとなると一朝一夕にはいきません。当然、中・長期的な視野に立って、長いスパンで進める必要があります。
それだけ長い時間が必要だからこそ5年後、10年後のために早い段階、今すぐにスタートをさせることがとても重要
です。
 リンクでもこれから皆さんの相談の受け皿になるようなカスタマーサクセスのセミナーや相談会を実施しています。この機会に、ぜひカスタマーサクセス導入に向けての第一歩を踏み出してほしいと思います。
Q5.「現在取り組んでいる」と回答した方に伺います。「カスタマーサクセス」による効果を実感できていますか。
(Q4.でカスタマーサクセスに「現在取り組んでいる」と回答した95名/単一回答)
Q8.「現在取り組んでいる」と回答した方に伺います。「カスタマーサクセスツール」の機能・サービスに関して、具体的にどういったものに興味がありますか。
(Q4.でカスタマーサクセスに「現在取り組んでいる」と回答した95名/複数回答)

顧客の "いま" を把握し、最適なカスタマーサクセス活動を支援 | CustomerCore(カスタマーコア)

顧客の "いま" を把握し、最適なカスタマーサクセス活動を支援 | CustomerCore(カスタマーコア)

カスタマーサクセスに必要なあらゆるデータを統合・可視化し、顧客の状態変化をシステムで捕捉。CustomerCore(カスタマーコア)は顧客ロイヤルティを高める活動を支援するWebシステムです。

内木場 健太郎<br>
株式会社リンク<br>
CustomerCore 事業責任者 <br>

内木場 健太郎
株式会社リンク
CustomerCore 事業責任者 

クリエイティブ業務からキャリアをスタート。広報宣伝部門、マーケティング部門の立ち上げ、ホスティング事業責任者を経て2019年よりカスタマーサクセス支援システム「CustomerCore」の事業開発を担当。サブスク型/ストック型ビジネスの20年以上の経験をもとに、さまざまなBtoB企業のカスタマーサクセス活動の効率化を支援している。