メール到達率を上げるために必要なこと
はじめに
多くのコミュニケーションツールが存在する現代においても、いまだメールはビジネスツールとして活躍しています。
特にマーケティング担当者からすると、顕在顧客の掘り起こしにつながるアプローチや、既存顧客とのコミュニケーションを継続させるといった面で、メール配信は手軽な手段と言えます。
また、通販事業者などは、売買成立時に送信されるような重要なメールを自動配信しているケースもあります。 双方のケースで重要なことは、メールがきちんと相手に届いていることですが、実際、届いているのでしょうか?今回は、確実にメールを相手に届けるために気にしておきたい、「メール到達率」についてまとめていきます。
慣れ親しんだメールだが意外と届いていない?
メール配信を行った際、相手先にメールがきちんと届いたかを数値化したものをメール到達率と言います。冒頭でも述べた通り、今でもメールは重要な連絡手段として利用されていますが、迷惑メールだと判定されてしまうことが増えているため、メールが相手に届いていないケースが多くなっています。つまりメールの到達率が低くなってしまっているのです。
メール到達率が低いまま放置していると、マーケティング活動の成果が出なかったり、ユーザへメールが届かず、顧客満足度が低下してしまう可能性があります。
メール到達率低下の原因は、相手に簡単にメッセージを送れるというメールの特性を、詐欺などの手段に悪用しようとする迷惑メール送信業者が増えたことにあります。その結果、多くの迷惑メールが送信されるようになり、社会問題となったことで、携帯キャリアなどの通信事業者が迷惑メール対策を行なうようになりました。
総務省が通信事業者10社に対して行った調査によると、一日に送信されるメールの内、2011年頃には7割程度、ここ数年では大体4割前後のメールが迷惑メールに該当しています。
(参考:総務省|電気通信消費者情報コーナー|迷惑メール対策)
増え続ける迷惑メールの対策に乗り出したISPや携帯キャリアなどの通信事業者は、迷惑メール送信業者といたちごっこをしながらも、ここ数年は迷惑メールを減らすことができています。
ただ、喜ばしい状況になった一方で、普通のメールがはじかれてしまうケースが出てきていることも事実です。
なぜこうした現象が起きてしまっているのでしょうか?
それは送信されるメール自体やメールサーバに問題がある可能性があります。
メール送信はお作法が大事
各事業者が取り入れている迷惑メール対策はさまざまですが、メールを正しく送信すれば基本的に届くようになっています。
では、正しいメール送信とは何でしょうか?例えば下記の点が挙げられます。
・送信リストが最新の状態になっている(宛先不明なものがない、RFCに準拠したアドレス)
・迷惑メールで利用される表現がメールに含まれていない
・タイトルや本文が長すぎず、また、メールサイズが重すぎない(RFCを考慮)
上記の点に注意しているにも関わらず、メールの到達率が低い場合は、各事業者が取り入れている迷惑メール対策技術に抵触している可能性があります。
到達率が上がらないのはシステム面の問題かも
では、迷惑メールと判定されないようにするためにはどうするべきなのでしょうか。具体的には下記の点を見直しする必要があります。
・送信ドメイン認証が正常に機能しているか
→ 送信元メールサーバのグローバルIPがDNSのSPFレコードに正しく記載できているか
→ DKIMに対応させているか
・送信元メールサーバのIPがブラックリストに載っていないか確認し、万が一掲載されていた場合は是正措置を取る(IPレピュテーションの評価を上げる)
・配信制限に引っかかるような量のメールを一度に送信しないこと
・バウンスメールの送信先であるリターンパスが、存在するアドレスで設定されているか
なお、現在主流となっている迷惑メール対策技術(SPF、DKIM)や、IPレピュテーションの改善について、もう少し詳しく知りたい方は下記の記事もご参照ください。
参考:IPレピュテーションのスコアを見直せばメール到達率UP!理解しておきたいIPレピュテーション
携帯キャリアの迷惑メール対策
通販サイトなどでの会員登録時に、ドメイン指定受信やアドレス指定受信などを設定している場合、そのリストに会員サイトのメールアドレスを登録しておいてほしいと書かれているのをよく見かけます。
au、Softbank、docomoの各携帯キャリアでは、ユーザ自身が特定のメールアドレスを迷惑メールに指定することが可能です。迷惑メールを一回受信してしまうと、そのあと何通も届いてしまうため、その都度、登録することは非常に面倒臭い作業です。こうした作業をする必要がないよう、怪しいメールをすべてブロックしてくれる迷惑メールフィルター機能を各社用意しています。
ただ、この設定を行うと、正常なメールもフィルタリングされてしまうことがあるため、通販サイトなどではリストへの追加を依頼しています。
迷惑メールフィルタリングの判定基準は、各事業者が取り決めており、公開されていません。基本的にはなりすましや詐欺が疑われるメールや、メールの送信量の多さによって、システム的に一括で排除している可能性が高いと考えられます。
必要なメールがフィルタリングされないようにするためには、ユーザ自身が指定受信・指定拒否の設定をする必要があります(Softbankに関しては学習機能を保有させているという記述がありました)。
なお、迷惑メール送信者である旨をユーザが通報することも可能です。送信者は迷惑メールと言われてしまわないよう、きちんとした配慮を心がけましょう。
(例:配信停止申請があったのに送り続ける、相手の興味ない内容を延々と送り続ける、など)
迷惑メールのフィルタリング機能を持っているのは携帯キャリアだけではなく、利用者が増えてきているGmailやYahoo!などのメールサービスも同様の技術を保有しています。
各社で精度の違いはありますが、メールシステムに嫌われるメールを送ってしまえばブロックの対象となります。
システム面での迷惑メール判定対策を簡単にする方法
迷惑メール判定対策をするためには、専門的な知識が必要な上、コストや時間が掛かるものもあります。
そこで検討したいのがメールリレーサービスです。メールリレーサービスでは、各通信事業者が取り入れている迷惑メール判定対策を回避するための技術を取り入れたメールサーバが用意されており、ユーザはそのメールサーバを利用してメール配信を行うことで迷惑メールに判定されることなく、メールを送信することができます。
メールリレーサービス提供事業者はそれぞれの特色を持って提供を続けていますが、ホスティング事業者であるリンクが提供しているベアメールは、ホスティング事業者のノウハウが詰まったサービスです。
サーバやIPアドレスといった豊富な知識や経験、資産が活かされたものになっています。また、IPレピュテーションの評価を高いまま維持するよう日々管理を行っており、常に安定したメールリレーサービスの提供を実現しています。
ご興味のある方は、ぜひ下記ページをご参照ください。
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