メールの到達率を上げられるメールリレーって、なに?
はじめに
お客さまから、届くはずのメールが届いていないという連絡を受けたことはありますか?
届くはずだったそのメールは、迷惑メール判定技術によって迷惑メールの判定を受けて、配信を拒否された可能性があります。
迷惑メールという判定を受けないようにするには、メールサーバが保有するIPアドレスの評価(=IPレピュテーション)を上げ、評価が下がらないように管理し続けていく必要があります。
ですが、IPレピュテーションの管理には、専門的な知識や技術が求められるため、その人員の確保は難しく、また、効果が出るまでには時間が掛かります。
こうした課題を解決できるのがメールリレーサービスですが、そもそもメールリレーとは何なのでしょうか?本稿ではメールリレーとは何かについて書いていきます。
迷惑メール判定技術やIPレピュテーションについて、もう少し詳しく知りたい方は下記の記事もご一読下さい。
参考:IPレピュテーションのスコアを見直せばメール到達率UP!理解しておきたいIPレピュテーション
メールリレーってなに?
メールリレーとは、一言でいうとメールの送信代行となりますが、その前にメールの送受信時で発生する処理について一度振り返ってみたいと思います。
メールの送受信
個人がメールを送りたい場合、メールソフトを利用して文面と宛先を書いた後、送信ボタンを押すと送信が完了するということはご承知の通りですが、その裏側ではさらに処理が続いています。
送信ボタンが押された後、メールソフトはSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)というプロトコルを用いて、自身が持つ送信用のメールサーバにメールを転送させます。メールを受け取った送信用のメールサーバは、宛先に設定されたメールアドレスのドメイン名を元に、DNS(Domain Name System)を利用して受信者側のメールサーバを探し出し、該当の受信メールサーバへSMTPを使って転送、保存します。受信者はメールソフトを利用して、保存されたメールをPOP3やIMAP4というプロトコルを利用してメールを受け取ります。
(送信者 ― SMTP → 送信メールサーバ ― SMTP → 受信メールサーバ ← POP3/IMAP4 ― 受信者)
メールリレーの仕組み
では、メールリレーとはどういった仕組みになっているのでしょうか。
基本的には先で説明した通りのメールの送受信で変わりはありませんが、送信元と受信先のメールサーバの間に、中継するメールサーバがある点が大きな違いになります。
SMTPの登場時、受発信者同士のメールサーバが直接通信できないことがあったため、間に別のサーバを挟むことでメールを送信していました。現在では受発信者が直接通信することが一般的になったため、利用されることはほとんどありませんが、メールを中継して送信する機能はそのままSMTPに残っています。メールリレーはこの機能を利用しているため、別名、SMTPリレーとも言われています。
このような、メール送信時の中継用メールサーバを提供しているメールリレーサービスの提供事業者は、評価の高いIPアドレスを持つメールサーバを複数保有しており、契約者が送信する大量のメールを、各メールサーバへ振り分けながら送信します。
そういった環境を構築するには、コストの負担が大きい上に、IPレピュテーションやメールサーバの知識や技術を保有する人員を確保する必要があります。また、評価の高いIPアドレスは、信頼性を高めるまでに時間がかかるため、すぐに使えるものにはなりません。
そのため、メール到達率に課題を抱えている企業のほとんどはメールリレーサービスを利用します。
メールリレーサービスを利用することの利点
一番のメリットはIPレピュテーションの管理の必要がないことです。
冒頭で記述した通り、IPレピュテーションのスコアは、迷惑メールに判定されるか否かに多大な影響があります。メールリレーを利用すると複数台のメールサーバを介すことになるため、大量のメールを配信する際にメールサーバにかかる負荷やIPアドレスが分散されます。
メールサーバの処理能力以上のメールを一度に送信すると、メールサーバが処理しきれずに送信が遅延し、IPレピュテーションのスコアを下げることに繋がります。また、IPレピュテーションのスコアが上がりきらないうちからのメールの大量送信も、迷惑メールと誤解される可能性が高く、IPレピュテーションのスコアを下げる要因となりかねません。
メールリレーサービスを利用することは、こうした現象の防止と併せて、提供事業者がサーバを用意し、IPレピュテーションの管理もしてくれるという利点があります。
メール配信サービスとの違いは?
実際、メール配信サービスを利用中という企業は多いと思います。すでにメール配信サービスを利用している企業にとっては、メールリレーの必要性を感じないかもしれません。
ですが、メールリレーサービスはメール配信サービスとは異なります。
メール配信サービスは、あくまでメルマガ配信に特化したマーケティングサービスです。配信したメールの管理や、開封率などの分析を行うものもあります。
一方でメールリレーは、サンキューメールなどのトランザクションメールと言われているシステムから自動で送信されるメールの到達率を改善させたい場合に利用されます。
例えば、ほとんどの通販サイトでは購入後には確認メールが、配送手配をしたら配送確認のメールが送信されます。このような、顧客に確実に届いてほしいメールの場合にメールリレーが適しています。
もちろん、メール配信サービスとメールリレーサービス、双方を併用している企業も存在します。何を重要視するかにもよりますが、サービスを使い分けることで、両方の良いところを活かしあい、より良いメール配信システムに仕上げることも可能なのです。
どうやってサービスを選ぶの?
メールリレーサービスを利用する場合、その事業者がきちんとIPアドレスやドメインの管理の知識とノウハウを保有していることが重要になります。
また、コストはもちろんですが、すでに利用しているメール配信サービスがある場合、そのサービスとの親和性を含めた自由度も確認しておきたいところです。
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