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在宅勤務はまだ続く?改善したい課題を解決|総務のプロと考える理想の電話とは

在宅勤務はまだ続く?改善したい課題を解決|総務のプロと考える理想の電話とは

2022年以降、在宅勤務が続く企業と出社に切り替える企業とがあり、双方の動向に注目が集まっています。その中で避けては通れない企業のDX推進に一番前向きなのは、ビジネスを支える“総務部門”かもしれません。脱ハンコ・ペーパーレス化が一気に進んだ次の段階として、これまで後回しになっていた“電話問題”に注目。総務系コンサルタントの髙山源一さんとビジネスフォンに精通する株式会社リンクのBIZTEL事業部長 坂元剛が“電話”のこれからについて語りました。

1.在宅勤務によって生まれた課題とは

坂元 髙山さんは長く総務の仕事に携わってきたとお聞きしています。今回はその経験を生かして、現在、多くの会社の総務担当者が頭を悩ませている会社の電話についてお話を伺いたいと思っています。髙山さんは総務コンサルタントになる以前はどれくらいの間、総務の仕事をしていらしたのでしょうか?

髙山 36年勤続のうち、ほぼ30年間総務部門に在籍しておりました。30年というと、日本企業にお勤めの方はみなさん驚かれます。日本企業だと異動がありますが、私は日本ヒューレット・パッカードで働いていまして、外資系企業という性質上、ずっと専門の仕事に携わるジョブ型雇用でした。ですから、日本ではあまり例のない特殊な総務経験者となっています(笑)。
 
坂元 それだけ長くやられていると、これまでの電話の移り変わりをずっと見ていたことになりますね。最近は髙山さんのところへ会社の電話について相談に来る総務担当者も多いそうですね。

髙山 コロナ禍で在宅勤務になり、会社にかかってくる電話をどうするかが問題になっています。日本はいまだに代表電話番号があり、社員一人ひとりのデスクに固定電話を置いている会社がほとんどです。当然在宅勤務であっても、会社の電話にはお客さまから連絡がきます。会社の電話に対応するために出社しなければいけないのは、やっぱり今の時代にそぐわないですよね。大手企業ではすでに代表電話をなくしているところも出てきています。
坂元 文化的なものなのか、いまだに会社には必ず代表電話がないといけないという考え方が根強く残っています。そんな中で代表電話をなくすのはすごいチャレンジですね。

髙山 日本特有の文化といってもいいかもしれませんね。一昔前は大阪や名古屋で東京の市外局番である「03」の付いた代表電話番号入りの名刺を渡すと、怒られたりもしました。「おたくの会社、ここで商売する気あるの?」と。電話番号は会社を象徴するものでもありました。

 でもこれは日本だけの話で、海外を見るともう固定電話なんて置かずに、入社した社員にはSIMカードを渡し、2枚のSIMが入れられるデュアル対応のスマートフォンに挿すだけで個人用と会社用を使い分けられ、内線も外線もスマートフォン一つで済ませています。これは社員も2台持たないで済みますし、実は経理にとっても楽です。電話料金はすべて会社が契約しているクレジット会社と連携させているので、精算業務がいりません。日本の場合は、会社が携帯電話を支給しているならまだいいのですが、個人の携帯電話を社用でも使って後で精算をするとなると、それだけ経理の手間が増えてしまいます

坂元 すでに海外では固定電話がなくなってきているんですね。

髙山 ただ、一足飛びに日本で同じようにやろうとしても、今すぐに会社の固定電話を全部なくすのは難しい。いまだに黒電話を使っている会社もあるくらいですから、電話に関して日本の会社は海外よりもかなり遅れています。そういう意味で、在宅勤務をしなければならない緊急事態に企業が置かれたことが、日本の電話を変える大きな出来事になるかもしれません。

坂元 お互いに連絡先を知らない、チャットも知らない、Web会議を開ける関係性もないとなると、代表電話に頼るしかない。唯一の接点となる電話の重要性が高まり、会社の電話をどうすればいいのかとみなさんが真剣に対策を探し始めているのがまさに今です。

2.総務担当者が頭を悩ませる電話問題を解決

髙山 今すぐできる対策として、私はいつも会社の電話をIP電話に変更するように勧めています。IP電話にすれば会社の固定電話にかかってきた電話を社員の携帯電話に転送する等、デジタルで多くの機能を有しているので、わざわざ電話のためだけに出社する必要がなくなります。実は坂元さんがやっているBIZTEL」は開始当初からすごいサービスが始まったと注目していました

坂元 それはありがとうございます。髙山さんがご存じのとおり、BIZTEL」というのはPBX機能をインターネット経由で利用するクラウド型IPビジネスフォンサービスです。2006年にスタートした当初は、クラウド型IP電話といっても理解してくれる会社が少なくて、苦労しました。

髙山 当時はIP電話を知っている人なんてほとんどいなかったですよね。どうして私が一早く目をつけたのかというと、ヒューレット・パッカードはマイクロソフトと関係が深いので、新しい技術が開発されると、うちの社員のパソコンに入れて実用化に向けて実験をするというのをやっていたからなんです。だから今でいうビジネスSkypeも普及する前から使っていましたし、ダイヤラーが付いた電話ソフトを使ってパソコン上で通話もしていました。日本の会社でもできたらいいのにと思っていたことを、「BIZTEL」が叶えてくれた。やっと便利な電話の時代が来たと、いろいろな会社に勧めてきました。ただ、みなさん実際に導入するとなると、あと一歩が踏み切れない会社が多いですね。

坂元 電話は当たり前にあるものなので、あまり深く考えたことがない方が多いですよね。みなさん電話のIP化がどういうものなのか感覚が掴めないみたいですね。

髙山 いまだに電話番号はNTTがすべて管理していると思っている人もいるくらいですから。目の前で、03からの電話番号にかけると、スマートフォンが鳴るのを見せるとみんな驚きます。電話を「BIZTEL」へ変えると代表電話にかかってきた電話を携帯電話で受信できるし、携帯電話から発信しても先方に通知する番号は会社の固定電話に設定できます。ただデジタル系に興味がない人はこういう仕組みが理解できない。それなのに携帯電話を社用に使用するのはセキュリティ面で不安がありますとか言ってくるので、驚きます。クラウド型の方がセキュリティは安心ですよね。

坂元 クラウドとセキュリティは切っても切り離せないので、セキュリティ面は重視しています。通話に関しても音声データを暗号化したり、会話を録音する機能もありますので、会社の求めるセキュリティレベルに合わせたサービスが提供できます。

髙山 あとはコスト削減のメリットもあります。経営者層が全部の通信費用・電話に関する業務コストがどれだけかかっているのかを知らないケースがよくあります。ヒューレット・パッカードでも、世界中のグループ会社の電話代を調べたらCEOが驚いて、なんとかして削減をという話になり、クラウド型IP電話に変えたところ、電話代を10分の1に削減できました。端末を内線感覚で使えるので、社員同士が日本中どこからでも内線通話できるようになります。出張の多い会社は絶対導入すべきですよね。

坂元 ありがとうございます。メールやチャット、Web会議など、様々なツールがありますが、事前の連絡先共有を必要とせずにリアルタイムで声でコミュニケーションが取れるのは電話しかありません。お客さま満足度を高めたい企業さまにおいては電話は重要なお客さま接点として重視されています。

3.未来の電話はどうなる?

坂元 書類のペーパーレス化が進み、ハンコもなくなり、請求書も電子化されました。総務の仕事はここ数年でDX化が進んできました。急激に変化の波が押し寄せたために、総務担当者はいろいろ勉強しなければいけなくなりましたか?

髙山 そこが難しいところですね。私の場合はもともとデジタル系に興味があって、社内のIT担当者とも仲良くして、いろいろ教えてもらっていたからできた部分があります。今はいろいろ進み過ぎてしまって、これまで事務だけやっていた人だと難しくなってきていると思います。そこが電話一つとってみても、なかなか変わらない原因なのかもしれません。
 私は30年総務を続けてきましたけど、社内で何か困ったことがあったら、私達が現場に入って声を聞きながら、課題を解決していくスタンスを守ってきました。まず手をつけて、やってみてダメだったら戻ればいい。会社に合った電話のシステムが分からない総務の担当者は、まずは「BIZTEL」さんに連絡して相談してくださいと、声を大にして言いたいですね。

坂元 みなさんIP電話とかクラウドサービスの導入といわれると、不安になるかもしれません。特に音質の面を気にされる方が多いと思いますが、「BIZTEL」は2006年にスタートして音声品質はもちろん、導入に対する不安感を払拭できるような取り組みをしてきました。すべての社内電話を一度に変えるのは難しいということであれば、試験的に、まずは小さな部門からの導入でもいいと思います。先ほど話したセキュリティサービスも用意していますので、総務の方にはぜひ一度気軽に相談していただきたいですね。最近はフリーアドレスの会社も増えてきているので、ぜひそういう会社でも活用してもらえるとうれしいです。

髙山 フリーアドレスの会社には絶対にいいですね。それまで一人ひとりあったSEさん達の机をなくして、部屋に大きなテーブルを1つ用意して、好きな場所で作業ができるようにしたんです。電話は3個ぐらいあって、朝出社すると電話にログインして自分の電話番号にするというのを1999年にやりましたけれども、そう考えるとこの20年で電話は大きく変わりました。

坂元 固定電話から携帯電話になり、スマートフォンになりと、電話は大きく進化しました。ただ、依然として会社の固定電話は残っています。私自身は、今後、電話は根本的には固定電話ではなくて個人に属したスマートフォンやスマートデバイスに推移していくのが必須の流れだと考えています。その中でお客さまとの重要な接点である電話対応を企業として組織的な対応ができるよう「BIZTEL」はサポートしていきたいと思っています。髙山さんご自身は、電話はこれからどうなっていくと思いますか?

髙山 すでに海外では始まっている取り組みがあって、電話やメール、チャットといったツールで考えるではなく、私だったらtakayamaドット何々という個人のドメインを作ってそこにすべてを紐付ける。今は会社が変わる人も多いので、takayamaドットの間に会社名を入れる形で、一つのドメインをずっと使っていく。将来的にはそういう世の中になるのでは?

坂元 電話を取り巻く世界はこれからもどんどん進化していくんですね。業の価値をコミュニケーション面でどう高めていくのかは今後の企業の大きな分岐点かもしれないですね。今日は興味深いお話がたくさん聞けて楽しかったです。本当にありがとうございました。

クラウド型コールセンターシステム・PBXサービス | BIZTEL(ビズテル)

クラウド型コールセンターシステム・PBXサービス | BIZTEL(ビズテル)

オフィスの電話環境はもちろん、コールセンターシステム(CTI)やスマートフォンの内線化など、豊富な機能をクラウドで提供。場所・設備・コスト・保守期限の制約に縛られることなく利用でき、変化し続けるビジネスに自由自在に対応できる電話サービスです。

総務系コンサルタント<br>
髙山 源一

総務系コンサルタント
髙山 源一

1981年横河・ヒューレット・パッカード株式会社(現、日本ヒューレット・パッカード合同会社)に入社、計測部門生産管理部、資材部を経て、1988年より総務部。1990年の神戸事業所開設、2009年本社オフィス設計に総務として深く関わる。2011年都内主要5か所のオフィスを江東区大島に新本社として統合。入社以来総務部として社員食堂運営に関わってきた経験から「社食の神様」と呼ばれる。2017 年6 月より、「総務・働き方改革コンサルタント」として活動を開始した。

株式会社リンク<br>
取締役<br>
BIZTEL事業部長<br>
坂元 剛

株式会社リンク
取締役
BIZTEL事業部長
坂元 剛

インターネットシステムに関する開発業務からキャリアをスタート。監視システムや多数のWebシステム等の構築の知見を活かして、今までだれもトライしてこなかったPBXをインターネットサーバに載せるという「BIZTEL」サービスを立ち上げ。データ通信および音声通信のソリューション提供まで幅広い経験をもとに「BIZTEL」の成長を支える。