クラウドPBX選び、失敗しない鍵は「音声品質」―BIZTEL技術者に聞く「電話の当たり前」の裏側とは―
ビジネスにおける電話コミュニケーションにおいて、「音声が途切れる」「声が遅れて聴こえる」といった現象は致命的です。オフィスやコールセンターでクラウドPBXの導入が進む一方、従来の固定電話と比べて音声品質に課題や懸念を感じる企業も少なくありません。 では、音声品質に差を生む要因は何なのか。クラウドPBXを検討する際は何に気を付ければよいのか。導入社数2,000社以上のクラウド型PBX /コールセンターシステム「BIZTEL」のシステムを支えるブライシス株式会社のCTOをはじめ、開発部門を牽引する責任者と現場リーダーたちに、音声品質の裏側とこだわり、サービス検討時のポイントについて聞きました。
1. クラウドPBX導入時の不安、「音声品質低下」はなぜ起こる?
オンプレミスPBXは、一般的に音声専用の機器で構成され、音声専用回線を利用することが多いため、安定した音声品質を確保しやすいという特長があります。
一方、クラウドPBXは、他のITサービスと共有された環境で稼働し、「IP電話(※1)」の仕組みを利用します。そのため、インターネット接続などのデータ通信と同じネットワークを経由するケースが一般的です。
このようなクラウドPBXの特性を十分に考慮して設計・構築されていない場合、音声の途切れや遅延が発生しやすくなります。
※1 IP電話:従来の電話線ではなく、「インターネット回線」を使って音声を届ける電話サービスのこと。
ブライシス株式会社 取締役 CTO(最高技術責任者) 宮崎 徹
※2 ISDN(Integrated Services Digital Network)回線:従来のアナログ電話線をそのまま使用しつつ、音声をデジタル信号に変換して通信を行う電話回線のこと。NTTの設備老朽化や固定電話回線の減少などに伴い、2024年1月から段階的にサービスを終了しています。
オンプレミスPBXは、専用機器の設置が必要なため、費用が高くなります。一方、ほとんどのクラウドPBXは専用機器ではなく、汎用サーバーを利用しているためコストを大幅に抑えることができます。
小島 他にも、クラウドPBXはインターネット環境があればどこでも利用できるので、外出先や在宅中でも、会社の電話番号で通話ができます。さらに、物理的な回線が不要なので、利用人数の増減にも柔軟に対応できます。
2. 音声品質の裏側。高い技術力が生む「独自基盤」の強み
大島 BIZTELは追加料金不要で、トラブルに関する問い合わせを24時間365日有人で対応しています。音声品質だけでなく、サポート品質にも力を入れています。
小島 他にも、ユーザの利用状況に応じた「キャパシティ管理」を常に行っています。先ほどの通り、音声が専用で通る環境を構築していても、お客さまの利用が集中して混み合うケースも想定されます。そうすると、音声品質の低下にもつながってしまうので、お客さまが安心して利用できるよう監視・管理を徹底しています。
青沼 音声に関する知見を持ったエンジニアの存在も重要です。インフラエンジニアのほとんどは、Webやアプリのインフラが専門で、音声に関わった経験がある人はごくわずかです。BIZTELは、音声分野に知見のあるエンジニアが多数在籍しており、その専門性の高さが音声品質の維持を可能にしています。
ブライシス株式会社 サービス基盤開発部 仮想基盤チームリーダー 青沼 岳
3. 当たり前を疑え!プロが教える、失敗しないための3つのポイント
大島 日本企業向けに設計されたサービスかという軸も欠かせません。実は、前職でもIP電話を扱っており、お客さまから「音声がブツブツと切れる」という問い合わせがありました。そのとき使用していた海外機器メーカーに通信データ(パケット)を取得した上で説明したのですが、「日本人は細かすぎる」と一蹴されてしまったことがあり、日本と海外の品質に対する考え方の違いを感じました。つながるだけでなく、「対面と変わらぬ安定感」という日本企業が求める音声品質水準をクリアしているかも大切です。
青沼 2つ目に、システム基盤にも着目してほしいです。AWSなどのパブリッククラウド(※3)は、本来「Webデータの通信」を前提とした共用インフラです。リアルタイム性が重視される音声通信の基盤に採用した場合、パブリッククラウドの他ユーザの利用状況によっては音声の遅延や途切れにつながってしまいます。また、パブリッククラウドの仕組み上、物理サーバーや回線といった設備は、クラウドPBXを提供する事業者側も調べられる範囲に制約があります。そのため、トラブルの原因特定が難しくなるケースも珍しくありません。
※3 パブリッククラウド:AWSやMicrosoft Azureをはじめとする、クラウドサービス提供会社が用意したサーバーやネットワークなどのITリソースをインターネット経由で共有・利用する形態のこと。
小島 最後に、サポート体制も重要です。24時間365日、常に使えることが電話のあるべき姿です。しかし、インターネットを経由するクラウドPBXは、予期せぬトラブルで使えなくなるリスクがゼロではありません。夜間に電話をかけようとしたがつながらない、サポートにも対応してもらえないとなると、業務に支障をきたします。万が一の場合も、有人サポートを受けられるかどうかは重要だと思います。
ブライシス株式会社 サービス基盤開発部 共用アプリケーションチームリーダー 小島 考裕
4. 精鋭たちが守り抜く、品質へのプライドと2,000社の信頼
大島 今やビジネス電話は単なる通信手段ではなく、AI活用など業務効率化に貢献する「プラスαの価値」が求められています。こうした機能を柔軟に取り入れられるクラウドPBXは、企業の事業成長を支えるインフラとして、大きな可能性があると感じています。
大島 使用頻度は減っても、電話はいざという時の「最後の砦」です。いつでも安定して通話ができる。その安心感を提供し続けることこそが、私たちの使命だと思っています。
ブライシス株式会社 サービス基盤開発部 執行役員 兼 サービス基盤開発部部長 大島 国光
青沼 BIZTELの導入社数2,000社以上という実績は、提供開始から今日まで、多くのお客さまに音声を含む「サービス全体の品質」を評価いただいた証です。これからも、その期待を裏切るわけにはいかない。それは一緒に働くメンバーも同じ気持ちです。この実績と強い想いがあるからこそ、私たちは音声品質に絶対の自信を持っています。もし、クラウドPBXの導入を考えている方がいらっしゃれば、ぜひ一度BIZTELを試してもらえると嬉しいです。
次回予告
音声品質の先にある「真の顧客価値」へ。BIZTELが追求するサービス品質の全貌とは
しかし、高品質な音声はゴールではありません。あくまで、企業のビジネス成長を支えるための「強固な土台」に過ぎないのです。
最終回となる第3回では、BIZTEL事業部長 坂元 剛が登場!
「高品質な音声」を前提に、サービス全体が進化し続ける理由とは何か。基盤・機能性・サポートまで含めた「トータル品質」が、導入企業のビジネスにどのような価値をもたらすのか。
強固な土台の上に描く「音声コミュニケーションの未来」と、進化し続ける意義に迫ります。
ブライシス株式会社
取締役 CTO(最高技術責任者)
宮崎 徹
ブライシスで技術全体の責任者を務める。BIZTELサービスの立ち上げ当初から、アプリケーション開発・インフラ構築まで一貫して技術領域をリードしてきた。現在は技術担当役員として、BIZTELのアプリケーション開発チームおよびサービス基盤開発チーム全体を統括している。
ブライシス株式会社
サービス基盤開発部 執行役員 兼 サービス基盤開発部部長
大島 国光
前職では大手SIerにて主にエンタープライズのお客様向けエンジニア部門の責任者として従事。2023年にブライシスに入社。サービス基盤開発部を統括し、BIZTELサービスを安心・安全に利用できるITインフラ提供に向けて、サービス品質の向上に取り組む。
主にネットワークや仮想基盤を中心としたインフラ部門の責任者。
ブライシス株式会社
サービス基盤開発部 共用アプリケーションチームリーダー
小島 考裕
2014年にブライシス株式会社に入社。サービス基盤開発部 共有アプリケーションチームのリーダーとして、ゲートウェイ開発を牽引。主に通信キャリアとの接続や、音声ルーティングの中核を担うシステムの設計・開発に従事。インフラの根幹を支える高可用なシステム構築を専門としている。
ブライシス株式会社
サービス基盤開発部 仮想基盤チームリーダー
青沼 岳
前職では大規模システムを中心としたIT基盤の設計構築経験を経てパブリッククラウドの推進活動を担当。2018年にブライシス株式会社に入社。サービス基盤開発部 仮想基盤チームのリーダーとして、IT基盤の通信品質の向上とセキュリティ強化のため設備の維持拡張に取り組む。
