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対面とデジタルのハイブリッドで目指す新しい療育 子育て家庭が知っておきたい支援とは

対面とデジタルのハイブリッドで目指す新しい療育 子育て家庭が知っておきたい支援とは

子どもの発達や特性に応じて、困りごとの解決や自立をサポートする「療育」。これまでの療育は対面のみが基本でしたが、デジタルコンテンツ療育サービス「いろみ〜な」では、動画配信などを通して、対面とデジタルのハイブリッドで新しい療育を目指しています。 さまざまな特性をもつ子どもたちに対し、療育施設や家庭では今後どのような支援を行っていくべきなのでしょうか。 サービスの発案者である山本誠一郎(ワンスタッド株式会社・株式会社リンク)と、動画コンテンツを提供しているコプラスの代表・川口博史さん、児童発達支援管理責任者・河内山冴さんが、療育施設と保護者の連携や家庭での支援方法、「いろみ~な」の効果的な利用方法について語ります。

▼今回ご紹介するサービスはこちら

いろみ~な

いろみ~な

「いろみ〜な」は、障がいのあるお子さまと その家族が取り組む療育を「もっと身近に、もっと自由に、もっと楽しく」 というコンセプトをもとにつくられたサービスです。

家庭と療育施設、それぞれが担う役割とは

―子どもの発達支援において、家庭と療育施設にはそれぞれどのような役割があると考えますか?
河内山 家庭は子どもが長い時間を過ごす、大人との関係を築くために大切な場所です。そのため家庭には、子どもとの愛着関係を築き、日常生活に必要な動作を知る、生活リズムを整えるという役割があると考えています。

療育施設には、日常生活の中で子どもが苦手と感じる部分や課題を専門的な目で見つけ出し、集中的に支援する役割があります。また子どもの発達特性や強みを捉えて目標を立て、達成に向けての手立てを考えることも重要です。保護者には、子どもと常に一緒にいるからこそ気付けない部分もあると思うので、そこを積極的に伝えています。
川口 保護者の相談にのって気持ちに寄り添ったり、学校などの関係機関と連携したりといったことも、療育施設の大きな役割です。保護者の相談を受けて保育園や学校へ訪問するなど、家庭と保育園や学校との架け橋になるような取り組みも行っています。
―施設の中だけの支援ではなく、関係機関との連携も行っているのですね。コプラスでは保護者に対し、どのように支援方法を伝えていますか?
河内山 コプラスでは部屋にマジックミラーやモニターを設置し、保護者が療育の様子を見られるようにしています。50分の支援の後、10分ほどフィードバックの時間を設け、そこでその日の課題内容や子どもの様子、できたところ、今後練習が必要なところなどを共有しています。またその際、効果的だった声かけや練習方法など、家庭でもできる支援方法も伝えています。
川口 コプラスの利用者には、療育のために1時間をしっかりと使いたい、向き合いたいと考えている保護者が多いように感じます。また支援を行う50分間、リフレッシュのために外出する保護者もいらっしゃいます。子どもを任せてもらえるのは、信頼関係が築けてきた証でもあるので嬉しいですね。

コプラス

コプラス

東京都指定障害児通所施設|児童発達支援・放課後等デイサービス 集団療育と個別療育のハイブリット授業を展開。ABA(応用行動分析学)を基礎とした専門性の高い療育を行っています。

―保護者との連携で心掛けていることはありますか。
河内山 そうですね、情報の共有が連携において一番大切であると考えています。そのため家庭や学校での様子、保護者が感じていることなどを共有してもらっています。私たちは子どもと週数時間しか関われないので、それ以外の時間の様子を知ることが重要です。また保護者と同じ目標をもち、一緒に方針を考えていけるよう、家庭の方針や課題、想いなども聞いています。

保護者に安心して情報を共有してもらうために、信頼関係の構築も意識しています。保護者から質問を受けた際はなるべく多くの情報を伝えるようにしたり、アイスブレイクになるような療育に関係のない話も加えたりなど、親しみをもって接してもらえるよう工夫しています。
―コプラスを利用する保護者が抱える育児や家庭での悩みには、どのようなものがありますか?
河内山 未就学児では、発語が遅い・少ない、こだわりが強い、友だちに手が出るといったことに悩む保護者が多い印象です。就学児では、学習面での遅れが気になる、集団生活についていけない、友だちとトラブルになるといった悩みをよく聞きます。

こういった日頃の悩みの相談については、通常の支援とは別に時間を設けています。通常支援後のフィードバックの時間では、なかなか深い相談ができないと思うので。保護者の悩みや困りごとを個別にゆっくりと聞き、アドバイスを伝えています。
―子どもの発達や成長を引き出すために、家庭でも意識すべきことを教えてください。
河内山 療育に関する大切な考え方の1つに、子どもの「できること」と「できないこと」の間にある「あと少しでできること」を完全に「できること」にするというものがあります。家庭でもスモールステップで目標を設定し、進めていく考え方を意識してもらいたいです。

保護者の中には、周りと自分の子どもを比べて焦ったり落ち込んだりする方もいらっしゃいます。その結果、周りの子ども基準の無理な目標を立ててしまうこともあります。子どものペースに合わせて「できる」を増やしていくことが、成長を引き出すと考えています。
山本 「いろみ〜な」立ち上げの際も、周りの子どもと比較し、親の意向でペースやステップを上げてしまうことを問題視していました。保護者がもっと気軽に学べる環境、子どものペースに合っていないことに気付ける環境が必要だと考えているので、「いろみ〜な」ではそこも支援していければと思っています。
川口 たしかに、親が何をさせたいのかではなく、今の子どもには何ができるのかにフォーカスすると成果が出やすいと思います。また夫婦間の方向性が揃っていることも大切です。家庭内で方向性が定まっていないと、施設での支援もスムーズに進みにくくなります。

また子どもの行動に対して、常に「どうしてだろう?」と考えることも家庭で意識してほしいですね。保護者から相談を受けた際には、どういったときにその行動が出るのか、その行動が出ないはどういうときか、などを問いかけています。日常生活では困りごとの対応に追われてそういった視点を持つことは二の次になりがちですが、その行動のもつ意味を考えることが対応のヒントになるかもしれません。

いろみ~なで「困った!」の解決策を選択できるように

―コプラスでは、どういった動画を「いろみ〜な」に提供しているのでしょうか?
河内山 子どもの障がいのある・なしに関わらず、日常で起こる困りごとへの対応の仕方をメインに紹介しています。また、発達検査や発達障がいの特性など、より専門的な知識、コプラスのサービス紹介といった動画にも力を入れています。動画制作チームのメンバーはそれぞれもっている知識や経験が異なるので、その分、動画の内容の幅も広がります。

動画制作の際は、伝わること、わかりやすいことに重きを置いています。私は学生時代に障がいについて学び、研究もしてきたので現場で働き始める前は、経験より知識が重要だと考えていました。しかし、実際に現場で働くようになって経験の重要性も痛感しました。そのため「いろみ~な」の動画では、知識と経験を合わせて伝えることを意識しています。
川口 「いろみ~な」への動画提供の話をもらったとき、山本さんから「動画は感覚的に見られるものにしたい」という想いを聞きました。思えば、私も本屋へ行ったときに表紙を見て手に取ることが多く、潜在的な悩みやニーズに響く表紙の本を無意識に選んでいるのだと思います。「いろみ~な」へ提供する動画のサムネイルも、困りごとや悩みをもった人の目に飛び込んでくるような、視覚的にわかりやすいものを意識しています。
山本 「いろみ~な」では、子どもに関する日々の悩みや困りごとの解決につながる動画を幅広く配信したいと思っています。また動画は、親しみやすい表現・雰囲気も大切にしています。どんなに人生経験を積んできた人でも、子育てに関しては初めてのこと、困ることが必ず出てくるはずです。そういったときに心に響くのは、専門的な難しい言葉ではなく、親しみがあり、わかりやすい言葉だと感じています。

コプラスさんに提供してもらっているような、気軽に見て学べる動画を増やし、1つの悩みごとや困りごとに対して、保護者が複数のやり方を試せるような環境をつくれたらと思います。
―「いろみ〜な」の効果的な利用方法を教えてください。
河内山 子どもに関する困りごとや気になることがあるときに、辞書を引いたり友人に相談したりするような感覚で「いろみ〜な」の動画を見てもらえればと思います。動画は数分の短いものが多く、気軽に視聴できるのもポイントです!

保護者が子どものことを大切に思っているからこそ、障がいのある・なしに関わらず、どの家庭にも不安があると思います。そういった不安を感じたときにも「いろみ〜な」を利用してもらえたら嬉しいです。
山本 療育は、見て学ぶのが早くてわかりやすいと考えています。しかし対面での療育は週に1回1時間など機会が限られているのが現状です。動画は場所や環境を選ばず、気になったときにすぐに見られるので、「いろみ〜な」の動画コンテンツでそこを埋められればと思っています。対面での直接的なコミュニケーションと、デジタルならではのいつでも見られる・使える便利さのハイブリッドで、ニーズのある方のお役に立ちたいです。

また子どもをもつ保護者だけではなく、学校の先生、学童で働く職員など、日常的に子どもと接する機会がある方、療育の必要な子どもと接する機会がある方にも「いろみ~な」を利用してもらえると嬉しいです。子どもの特性や困りごとは本当にさまざまです。経験豊富な先生や職員でも、今まで対応したことのない特性をもつ子どもと出会うケースがあります。そういったときに「いろみ〜な」を利用して学び、理解を深めてもらいたいです。
―今後「いろみ~な」の利用を考えている家庭に向けて、メッセージをお願いします!
川口 「いろみ〜な」はデジタルに特化した療育サービスです。そのため、デジタルに慣れ親しんでいる今の子育て世代は利用しやすいのではないでしょうか。子どもの障がいのある・なしに関わらず、より多くの方の支援になるよう、気軽に見られて役に立つ動画を提供し続けていきたいと考えています。
河内山 私たちは日々療育を行っていますが、直接接することができるのはコプラスに通う子どもたちだけです。療育に通っていないけれど不安や困りごとを抱えている家庭があることもわかっているので、動画を提供することでそういった家庭の役に立ちたいと思っています。
山本 気負わず、普段使い感覚で気軽に利用してほしいというのが一番の願いです。そのために、サクサク見られて「これ困ってた!」「これ知りたい!」にフィットするような、1本5分程度の動画を豊富に用意したいと思っています。困りごとの対応に関する複数の選択肢を知るきっかけ、深掘りのきっかけになれば嬉しいです。

また、さまざまな障がいや特性を紹介することで、保護者が困りごとを抱えているのは自分だけではないと気付ける環境、孤立しない環境をつくっていくことも「いろみ~な」で実現したいと思っています。

いろみ~な

いろみ~な

「いろみ〜な」は、障がいのあるお子さまと その家族が取り組む療育を「もっと身近に、もっと自由に、もっと楽しく」 というコンセプトをもとにつくられたサービスです。

コプラス

コプラス

東京都指定障害児通所施設|児童発達支援・放課後等デイサービス 集団療育と個別療育のハイブリット授業を展開。ABA(応用行動分析学)を基礎とした専門性の高い療育を行っています。

児童発達支援・放課後等デイサービス 代表<br>
川口博史

児童発達支援・放課後等デイサービス 代表
川口博史

国立東京学芸大学 教育学部 国際理解教育課程 国際教育専攻卒業。
学習塾運営企業2社を経て、学習塾事業と教育コンサルティング事業を展開中。河内山と出会い、療育の道に踏み込む。

児童発達支援管理責任者<br>
河内山冴

児童発達支援管理責任者
河内山冴

国立筑波大学大学院 人間総合科学研究科 障害科学専攻 博士前期課程卒業。
在学中より、教育分野に従事し、指導実績を積む。
職歴:学習塾講師、児童発達支援・放課後等デイサービス指導員、取手市こども発達センター心理指導員、取手市子育て支援課療育相談員

ワンスタッド株式会社 代表取締役 兼 株式会社リンク サポート部 部長<br>
山本誠一郎

ワンスタッド株式会社 代表取締役 兼 株式会社リンク サポート部 部長
山本誠一郎

インフラエンジニアとしてキャリアをスタート。MSP(マネージド・サービス・プロバイダ)、システムインテグレーション、コンサルティングなどの経験を経て、2014年に株式会社リンクへ参画。自社サービスとなるリンク ベアメタルクラウド、サポートサービスの立ち上げに携わる。インフラや運用に関する幅広い知識と経験をもとに、自社サービスやお客さまシステムの安定稼働を支援している。

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