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コロナ対策としての「チャット/チャットボット」の導入はあり?なし?

コロナ対策としての「チャット/チャットボット」の導入はあり?なし?

この一年間、コールセンター運営の試行錯誤が続いてきました。
さまざまなアンケート結果をみると、コロナ禍における体制では「メール応対業務」を強化した企業が多いようです。

コールセンターでは受付体制の削減によって電話が受けきれないため、メール受付チームを新たに設置したり、在宅業務としてメールで応対したりしたようです。

またここ数年、若い世代を中心に、SNS応対を希望するお客さまも増えてきました。

■あなたは今後、購入・利用した製品やサービスの内容や使い方などに関する疑問や不明点などを企業に問い合わせする場合に、どのような手段を利用したいと思いますか。(サンプル数2,870、複数回答、単位は%)

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※CCAJガイドブック Annual Report Vol.30『コールセンター最新事情2020-2021』「生活者のコールセンター利用意識と実態」より

まだまだコールセンター運営は、コロナ対策を取らざるを得ない状況が続いています。
“コールセンターの在宅化”の試行錯誤もそのひとつです。

そこで、アフターコロナのコールセンター運営として、「チャット」や「チャットボット」の可能性について考えてみましょう。

1.「チャットボット」は呼量削減につながらない?

数年前、チャットボットがもてはやされ、呼量削減を目的とした導入が進みました。
しかしその後、導入企業から聞こえてきたのは、呼量削減の効果については期待した成果には至らなかったという声です。

チャットボットは自動化ツールとしての期待値は高いものの、呼量削減とはまた別の目的、つまり新たな顧客接点として考えるのが無難なようです。

しかしネットと親和性のある業務なら話は別で、ネット通販などの業務ならば、呼量削減効果は高いという声もあります。

いずれにしても、チャットボットですべて完結することを考えず、チャットで完結できるものをチャットボットへ、人の応対が必要なものはコールセンターへとすみ分けて導入することが、成果に繋がるポイントとなるでしょう。

(チャットボットが得意な事)
※定型の応対が可能で、例外的な応対を必要としないもの。

  • 資料請求や商品購入などの申込み
  • 情報の登録・変更など

チャットボットはスクリプトさえ完備していれば、導入はさほど難しくありません。別の言い方をするなら、チャットボットを検討する企業はまず、マニュアルやスクリプトをしっかりと準備する必要があります。

また、チャットボットの利用状況を分析すると、自社社員が情報検索に利用するケースが意外と多いということが分かっています。このことも踏まえておくと良いかもしれません。

2.「チャット」はマネジメント次第で有効活用できる

チャットについてのコールセンター運営者の認識はまちまちです。というのも、電話応対者と同じく人が応対するためです。
利用者がまだ電話ほど多くないこともあり、チャットを導入しているコールセンターでは、電話応対とチャット応対を同一人物が兼務しているコールセンターが多いのではないでしょうか。

チャットの利便性は電話とメールの中間といった感じで、リアルタイムに応対できるので電話並みのスピード感があり、リンクを貼ったり画像を貼ったりと、メールと同等の機能を備えています。

またチャットを利用するお客さまの傾向として、ちょっとした空き時間を利用するなど、電話と利用シーンが異なる可能性が高いのではないかとみられています。

チャット業務もメール業務と同様に、在宅応対を含めた可能性を秘めています。
ただし導入にあたり、いくつか注意ポイントがあります。

【採用】

  • 電話応対に抵抗がある人もチャットであればそのハードルが下がるため、採用の間口は広がる。しかし文章作成スキルが要求されるうえ、その矯正には時間がかかるため、採用時にテストして素養を見極める必要がある。
  • 電話応対をしているオペレーターは、チャット業務への異動に抵抗感を持つ者が多いが、メール応対をしているオペレーターは、とくに抵抗感を感じずに異動させやすい。

【教育】

  • メール応対オペレーターであれば、電話応対オペレーターよりもトレーニングのコストを減らすことができる。ただし、文言はメールよりも柔らかくするなど、メール業務との違いを理解させ実践できるようトレーニングする必要がある。
  • SNSに慣れた新規採用者であれば、先にチャット業務で慣らしてから電話応対業務に就かせると、比較的スムーズに成長させることができる。

【運営管理】

  • お客さまからのチャットの高評価のポイントは電話と同じ。
    ①接続の速さ ②解決度
  • 最後にアンケートを付けやすく、顧客満足度の分析や業務改善に活用できる。
  • 文字だけでなく、たとえばキャラクターのアバターやスタンプを使うと、感情をカジュアルに伝えることができ、文字で伝えるよりも印象を和らげることができる。

3.コロナの時代だからこそ、顧客がどこにいてもつながれるように

本文の最初にあった「生活者のコールセンター利用意識と実態」の表からもあるように、若い世代ほどSNSなど新しいコンタクト手段の利用意向が高い傾向にあります。
しかしそれは、あえて使うというよりも、“そこに手段があるから利用しているに過ぎない”というもののようです。
なにかあったら、すぐに電話やメールと考える古い世代とは意識が違うようです。

これからはそんな若い世代が中心となる社会となります。しかもこのコロナ情勢により、コールセンターもテレワーク的な変革が求められています。
そう考えた時に、チャットやチャットボットでの対応について、いま一度真剣に考えてみる時期に来ているのかもしれません。

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