icon

「最適なサービスで一歩先行く組織へ」ビジネスに伴走する課題解決メディアCHECK!

コールセンターのマネジメント向け用語を解説|KPI、KGI、応答率、稼働率、解決率、AHTとは

コールセンターのマネジメント向け用語を解説|KPI、KGI、応答率、稼働率、解決率、AHTとは

コールセンターではシステム関連の用語に加えて、KPIやKGI・応答率といったマネジメントに関する用語も頻繁に使用されます。こうした用語は、主に「生産性」や「顧客満足度」を計測するための指標です。

ここでは、コールセンターを運営するうえで知っておくべきマネジメント系の用語について解説します。

1.コールセンターでよく使われるマネジメント系の用語

コールセンターの生産性や顧客満足度を向上させるには、「誰がどれだけ稼働しているか」「どのオペレーターがどのくらいの時間で応対を完了しているか」などをチェックする必要があります。
そのためには、業務の中で発生した事柄を数値化し、指標として活用していくことが求められます。ここでは、コールセンター運営で頻繁に用いられる指標・数値としてとくに重要なものを6つピックアップして紹介します。

KPI

KPIは「Key Performance Indicators」の略語で、日本語では「重要業績評価指標」と翻訳されます。KPIは、短期的な目標であり、長期的な目標(最終目標)に到達するための通過点(チェックポイント)でもあります。業務を進める中で発生するさまざまな数値をKPIとして設定し、可視化することで、最終目標(=KGI)に到達するために必要な施策が見えてくるというわけです。

一般的にKPIは、客観的で誰もが容易に判別できる指標を用います。また、最終目標によってどの数値を設定すべきかが変化します。例えば、コールセンターの顧客満足度向上をゴールとする場合は「応答率」「解決率」を、生産性向上を達成したい場合は「AHT(平均処理時間)」「稼働率」を設定するという具合に、目的に応じて設定内容を変えることが大切です。

KGI

KGIは「Key Goal Indicator」の略語で、日本語では「重要目標達成指標」と翻訳されます。プロジェクトや事業における最終目標であり、KPIよりも先に設定するのが一般的です。KGIの設定は、プロジェクトや事業における最終目標(ゴール)を、数値で具体化するところから始めます。

例えば、「顧客満足度を向上させる」という目標をKGIとして設定する場合には、「顧客満足度を前年比で20%向上させる」という具合に、数量や割合を用いるようにしましょう。ただし、KGIとして設定する項目は定性的で、数値化しにくいことが珍しくありません。

「認知度」「顧客満足度」「応対品質」などは個人のイメージによって変化する事柄です。そのため、まずは定性的な目標を数値化するところから始めます。アンケートやVOC活動の結果を用いながら数値化を進めていきましょう。

応答率

応答率は、「着信に対してどれだけ応答できたか」を示す指標です。コールセンターにおいてはもっとも頻繁に使用する指標のひとつでもあります。一般的に応答率は、次の式で算出可能です。

・応答率(%)=対応件数÷着信件数×100

コールセンターで最も重視される「つながりやすさ」を定量的に表すことから、KPIとしてもよく利用されます。応答率の計測は30分や1時間など短い時間で行うことが多く、時間帯別の応答率として可視化されます。もし応答率が悪ければオペレーターを増員し、十分に高ければ他の時間帯へ変更するといった具合に、人的リソースの配置にも役立つ指標です。

また、応答率を高めるための施策としては「業務プロセスの見直し」「コールセンターシステムによる業務効率化」などが挙げられます。とくにコールセンターシステムの活用では、有人対応の件数を減らしたり、雑務を自動化したりといった幅広い施策が可能です。

稼働率

稼働率は、契約労働時間内においてオペレーターが顧客応対にどれだけの時間をかけたかを表す数値です。顧客応対にかけた時間には「実際に応対した時間」「保留時間」「待機時間」「後処理時間」が含まれます。これらの合算値を契約労働時間で割ることで、稼働率が求められます。

・月間契約労働時間:80時間
・応対時間:36時間
・待機時間:12時間
・保留時間:5時間
・後処理時間:9時間

稼働率(%)=「36+12+5+9」÷80×100=77.5%

オペレーターの業務の品質を維持・向上するためには、応対時間のほかに休憩時間や研修時間も不可欠になるため、稼働率は100%を目指す必要はありません。むしろ、あまりにも数値が高い期間が続くとオペレーターの負担が大きくなり、離職につながる恐れもあります。

また、稼働率は業務効率を計測する数値ではないため「1件あたりの応対に時間をとられている」場合にも上昇することに注意してください。

解決率

解決率は「問い合わせ件数のうち、最終的な解決に至った件数の割合」を示す数値です。また、通常の解決率のほかにも、次のような種類があります。

・1コール解決率…1コール目で解決した割合
・一次解決率…転送やエスカレーション、コールバックを経ることなく最初のコンタクトで解決した割合

解決率は顧客満足度に直結する指標です。とくに一次解決率の数値は、顧客満足度に与える影響が大きいとされています。一次解決率は計測が難しいため、「SVによる第三者視点でのチェック」や「顧客に対するアンケート調査」を用いて、注意深くチェックする必要があるでしょう。

ただし、こうした施策は管理者の負担になりやすいため、コールセンターシステムが持つ「モニタリング機能」や「事後アンケート機能」を活用しながら効率化していきたいところです。

AHT(平均処理時間)

AHT(Average Handling Time)とは、オペレーターが1度の応対に要する時間の平均です。一般的には、平均通話時間(ATT/Average Talk Time)と平均後処理時間(ACW/After Call Work)を足した数値とされています。AHTが短いコールセンターほど生産性が高いと判断できるでしょう。AHTを短縮するための方法としては「トークスクリプトの整備」「オペレーターへの教育」「システム化による後処理時間の短縮」などが挙げられます。

トークスクリプトの整備とオペレーターへの教育は、効果が出るまでに一定の時間が必要です。一方、システム化による後処理時間の短縮は即効性に優れています。また、属人的なスキルに依存せず、一律にAHTを短縮できるというメリットもあります。

2.まとめ

ここでは、コールセンター運営において重要なマネジメント関連の用語について解説しました。
コールセンター運営では、複数の指標を用いながら顧客満足度・生産性を向上させていくことが大切です。本稿で紹介した指標を、できるだけ頻繁に、かつリアルタイムにチェックすることで、徐々に運営状況が改善されるはずです。そのためにも、各種数値を効率的にチェック・計測できるコールセンターシステムの選定も進めてみてください。

できるだけ予算をかけずに高機能なシステムを利用したい場合は、クラウド型コールセンターシステムがおすすめです。どの指標を重視するかによって必要な機能は変化するため、まずはノウハウを持ったベンダーに問い合わせてみましょう。