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電話対応のプロが教える、 結果が出せるオペレーター育成のコツ

電話対応のプロが教える、 結果が出せるオペレーター育成のコツ

コンタクトセンターの円滑な運営にとって、オペレーターの教育はとても重要なポイントですが、有効な手法が確立できずにいる企業は少なくありません。そこで、今回はコンタクトセンターのコンサルタントである池田浩一さんと、企業による電話対応業務の事情に詳しい株式会社リンクの坂元剛に、現場が抱える教育課題や理想のオペレーターを育てるコツについて語ってもらいました。

1.コンタクトセンターが抱える課題

坂元 私達が提供しているクラウド型コールセンターシステム「BIZTEL コールセンター」は、お陰さまで2,000社を超えるお客さまに導入いただいています。長年お付き合いをしている中で、多くのコンタクトセンターがオペレーターさんの教育に非常に苦労されているのを感じていました。
 コンタクトセンターのコンサルタントとして、運営サポートや教育をされてきた池田さんから見て、オペレーター育成の難しさはどこにあるのでしょうか?

池田 まずは研修室がない、会議室が使えない、教育ツールがないといった設備の不足もありますが、それ以上に深刻なのが教育者不在の問題です。専任の教育者を置いているコンタクトセンターは全体の1、2割程。残りの8割は教育者がいない状態です。実際に基本中の基本すらできていないコンタクトセンターが目に付きます。

坂元 オペレーターさんの教育はコンタクトセンターにとって大きな問題ですね。池田さんが気になるポイントはどこですか?

池田 コンタクトセンターに行くと本当に猫背の人が多いです。下を向いた状態で話すと喉を痛めやすくなるだけでなく、声に響きがなくなります。そうするとお客さまには自信がないように聞こえてしまいます。正しい姿勢は一番最初に教えるポイントですが、それができていません。あとここ数年特に気になるのは、二重敬語の問題です。「いたします」でいいところを「何々させていただきます」と言い換える二重敬語が乱発されています。
坂元 コンビニやファミリーレストランでも二重敬語が当たり前のように使われています。テレビなどでも毎日のように耳にしますので、その影響が大きいんでしょうね。

池田 二重敬語を良しとする文化を持つ会社もありますが、結局何が良くて、何がダメなのかは最終的にはお客さまが判断することです。お客さまが不快感を持ったり、間違いだと感じる言葉は使ってはいけないと思います。しっかり教育を受けている一流企業のコンタクトセンターでは絶対に使いません。おそらく二重敬語を使っているオペレーターさん達は間違いであると知らない、知識がないのだと思います。結局、一流と二流の差がどこにあるのかというと、やはり教育になってくるのではないでしょうか。

坂元 池田さんはコンタクトセンターに入ってすぐに、良いコンタクトセンターとダメなコンタクトセンターが分かるそうですが、どこで判断していますか?

池田 まずは雰囲気が全然違います。良いコンタクトセンターはオペレーターさんがみんな笑顔なので、明るさを感じます。笑顔なんて声には関係ないと思うかもしれませんが、声は顔やノドの筋肉を使って出すので、表情が豊かな方が良い声がでます。業界では「笑声(えごえ)」と言いますが、笑顔で出した声は、電話越しであっても相手にしっかりと微笑みが伝わります。

もう一つの判断材料はスーパーバイザー(管理職)の姿勢です。姿勢が悪く、画面に埋もれるようになっているスーパーバイザーを見ると、ここのコンタクトセンターはダメだなとすぐに分かります。その姿勢でずっといるのは、オペレーターさんにまったく気を配っていない証拠です。苦情が入っているなとか、クレーム対応で困っているなといった様子が全然分からないし、そもそも対応しようと思っていないんだと思います。この2つだけでコンタクトセンターの良し悪しはすぐに判断できます。

坂元 インターネットやチャットでの問い合わせ頻度が増える中で、コンタクトセンターを運営していること自体、お客さま対応に力を入れている会社だと感じます。実際に私自身は困ったときに問い合わせをして、良い対応をしてもらったという思いしかありません。オペレーターさんの一言で安心したり、救われたりするお客さまもたくさんいると思います。だからこそ逆に悪い印象を与えてしまうと、コンタクトセンターだけでなく、会社のイメージダウンにもつながりかねない。リモート時代になって、コンタクトセンターの質がますます問われるようになったのかもしれませんね。

2.教育ができる企業とできない企業の違いとは

坂元 オペレーターさんを育てるためには教育担当者が必要だと、皆さん頭の中では分かっていても、そこまではなかなか手が回らないのが実情ですよね。

池田 そうですね。教育は管理職がリードしなくてはいけないのですが、コール数が多いコンタクトセンターほど、日々の業務に追われ、どうしても教育の優先順位は一番最後になってしまいます。さらに現場は常にオペレーター不足ですから、目先の問い合わせをこなすので手一杯。講習会を開くためにトレーナーを手配したくても、今度はオペレーターさんが忙しすぎて時間がないという問題もあります。コンタクトセンターにとって教育は、永遠の課題と言えます。

坂元 「BIZTEL コールセンター」のお客さまからも、そういうお話をよく聞いていました。そこで教育のサポートとしてスタートしたのが、池田さんにもご協力いただいたBIZTEL shouin です。今のコンタクトセンターが抱えている“設備” “教育者”の不足に加えて、“時間がない”という問題を解消できるように、オペレーターさんに必要な電話応対のスキルやビジネスマナーなどが学べるeラーニングサービスを提供しています。

池田 パソコン上で学べるeラーニングは、自分の好きなときに学べるというオペレーターさんのメリットだけではなく、管理者にとってもアカウントを作りさえすればいいので手間も時間も圧倒的に少なく済みます。オペレーターさんが参加できる日時に合わせて、会場を借りて、インストラクターを集めて講習会を開いていたことを考えると、雲泥の差です。
 さらに、eラーニングはコンテンツの更新ができるので、常に時代に合わせて応対を変えていかなくてはならないコンタクトセンターにとって最良なシステムだと言えます。例えば用語一つとっても、新型コロナウイルス関連で使われる「クラスター」は5年前だったらお客さまには伝わらなかったと思います。それが今では誰もが知っている言葉になりました。このように言葉は常に変わっていきます。当然、コンテンツもそれに合わせて変えていく必要があります。
坂元 池田さんに担当していただいた「 BIZTEL shouin 」のコンテンツは、ユーザさんから大人気になっています。逆にそれくらいみなさんが困っていたんだと改めて実感しました。これだけYouTubeをはじめインターネット上に教育コンテンツがあふれていても、オペレーターさんが体系的に学べるものはまだまだ少ないということですね。

池田 本当にその通りだと思います。私の仲間や知り合いが似たようなコンテンツを出していますが、残念ながらコンタクトセンターに関わっている経験が少ないので、内容的に偏りがあります。ちょっと手前味噌になってしまいますが、私自身は長年勤めていた大手のベンダーだけではなく、コンサルタントとして大小さまざまなコンタクトセンターに関わってきました。その経験からBIZTEL shouin 」では業種や規模に関係なく、すべてのコンタクトセンターで利用できる汎用性の高いコンテンツが揃っていると自負しています。ベーシックとなるスキルについては一通り網羅していますので、まずは基本の講習として使っていただきたいです。また、「 BIZTEL shouin 」には自社の動画もアップロードできますので、足りない部分は補足していただくという使い方もできます

坂元 汎用性の面でいうと、コンタクトセンター以外のところでも利用されているケースがあります。これまで新入社員研修で「あいにくですが……」といったクッション言葉の使い方を教えていたのが在宅勤務でできなくなって困っていたところ、「 BIZTEL shouin 」でまさにその内容の動画が視聴できることを知って、活用されたというお客さまがいらっしゃいました。これまで自分達が時間をとって教えていた研修がすべて置き換えられたとのことで、結局、在宅勤務中の新入社員研修はすべて「 BIZTEL shouin 」を利用したそうです。

池田 それは嬉しいですね。もちろん、コンタクトセンターで働くオペレーターさんの教育が中心ではありますが、電話応対は営業など他の職種でも必要なスキルですし、逆にオペレーターさんが知っておくべきビジネスマナーというものもあります。コンテンツを作る上で、電話応対だけができればいいのではなく、社会人として最低限必要なスキルが学べるように意識しました

坂元 “教育”は教えて育てるという意味ですが、私自身は、これはちょっと一方的な言葉だなと感じていて、今は学びに関しても、自律的な成長が誘導できる仕組みが求められる時代になりつつあると思っています。いつでも好きなときに自発的に学べるeラーニングは、まさに今の時代にあったツールです。eラーニングの仕組みをさらに拡張、成長させて、自立したビジネスパーソンが自然と育っていく。「 BIZTEL shouin 」をそんなツールにしていきたいですね。

3.理想のコンタクトセンターを目指して

坂元 長年にわたってコンタクトセンターに携わってきた池田さんが理想とするオペレーター像を教えてください。

池田 まずは笑顔、それとポジティブ思考が大切です。コンタクトセンターは絶対にミスが起こるし、失敗は付きものです。そんなときでも、ポジティブな人は必ずこれを克服していきます。ポジティブな人は声音が良いので、お客さまが許してくださるケースも自然と多くなります。これはオペレーターさんだけに限らず、上司も、教育者も、ポジティブでいることが一番コンタクトセンターでは大事だと思います。
 あとはプロ意識ですね。美容系の苦情専門のコンタクトセンターを立ち上げるお手伝いをしたときに、オペレーターとして初めて働く学生さんが20本の苦情をフォローなしで、全部対応したんです。あまりに素晴らしかったので詳しく話を聞いてみると、自分は舞台女優を目指しているから、これくらいの状況を乗り越えられなければ、夢は実現できないと言うんです。それを聞いたときにプロ意識は人を成長させる大切な要素だと痛感しました。成長したい、学びたいという向上心を持っている人はやはり上達が早いです。「笑顔」「ポジティブ」「プロ意識」。この3つが揃っているのが私の考える理想のオペレーター像です。
坂元 これは理想のビジネスパーソンについても、そのまま当てはまるかもしれませんね。こういうオペレーターさんを育てるには具体的にどうすればいいんでしょうか?

池田 コンタクトセンターにはHDIという国際認定基準がありまして、現在、その制度における三つ星の格付けを取得するためのプロジェクトに関わっています。そこではまず、三つ星に認定された他社のコンタクトセンターの音声を聴いてもらっています。

坂元 BIZTEL shouin 」でも、動画コンテンツだけではなく、ユーザが音声ファイルをアップロードして、全員で共有できるようになっています。やはり良い電話応対を聴くのは大切ですか。

池田 そうですね。自分ではできているつもりでも、良い音声と聴き比べると、ここができていなかったとか、こんな言い回しがあるのかといった気づきが生まれます。絶えず良い音声を聴いていると、その会話で使われている言葉が自分の言葉になっていきます。「 BIZTEL コールセンター 」にも通話を録音できる機能が付いているので、BIZTELを利用しているコンタクトセンターでは自己点検するように指導しています。電話応対中はお客さまに意識が向き、自分がどんな話し方をしているかまでは分からないので、すごく勉強になります。教育の面でも「 BIZTEL コールセンター 」は非常に使いやすいシステムだと思います。

坂元 ありがとうございます。「BIZTEL コールセンター」も、「 BIZTEL shouin 」も、あくまで私達はツールを提供しているだけなので、主人公であるコンタクトセンターで働くみなさんのお役に立てているのであれば、嬉しいです。
 最後に池田さんからコンタクトセンターで頑張っている皆さんにメッセージをお願いします。

池田 先ほども言いましたが、コンタクトセンターにはトラブルや失敗は付きものなので、自分を責め過ぎずに、ポジティブなマインドを忘れないで欲しいです。特にスーパーバイザーやマネージャーといった管理者の方は真面目で自分に厳しいからその立場にいるのだと思いますが、少し肩の力を抜いて、今日までのご自身を「よく頑張っている!」と認めて労ってください。お客さまの笑顔は育成担当者さんの大らかな優しさと笑顔から始まります。そして、次はオペレーターの良いところや努力、変化を優しい気持ちで観察し、認めて、褒めて、やる気を育てましょう。あなたの優しさと熱意を陰ながら応援しています。

坂元 本当にその通りですね。コンタクトセンターは今のリモート社会を円滑に回す最後の砦といいますか、重要な社会的基盤になっています。みなさんのお手伝いをすることは、「BIZTEL コールセンター」を提供している私達の責任だと思っています。池田さんには今後もご協力いただいて、一緒に「 BIZTEL shouin 」をさらに良いものにしていきたいですね。今日はありがとうございました。

BIZTEL shouin|クラウド型教育管理サービス | BIZTEL

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No.1クラウド型コールセンターCTIシステム | BIZTEL コールセンター | BIZTEL

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株式会社ブランニューデイ<br>
代表取締役<br>
池田 浩一

株式会社ブランニューデイ
代表取締役
池田 浩一

コンタクトセンター専門のコンサルタントとして、100社以上のセンターの立ち上げや業務改善を支援。数多くの電話応対の現場に携わった経験から「実践で役立つ」ことに重きを置いた研修を行い、好評を博している。ラジオやニュースサイトなど多数のメディアにも出演する。

株式会社リンク<br>
取締役 BIZTEL事業部長<br>
坂元 剛

株式会社リンク
取締役 BIZTEL事業部長
坂元 剛

インターネットシステムに関する開発業務からキャリアをスタート。監視システムや多数のWebシステム等の構築の知見を活かして、今までだれもトライしてこなかったPBXをインターネットサーバに載せるという「BIZTEL」サービスを立ち上げ。データ通信および音声通信のソリューション提供まで幅広い経験をもとに「BIZTEL」の成長を支える。