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コールセンターのCX・EX向上の鍵を握る“ボイスボットと人の協業”。 そのあるべき姿を専門家が語りました。

コールセンターのCX・EX向上の鍵を握る“ボイスボットと人の協業”。 そのあるべき姿を専門家が語りました。

2024年11月21日、「コールセンター/CRM デモ&コンファレンス2024 in 東京」においてAIボイスボット「commubo」を提供しているソフトフロントジャパンの代表取締役社長・髙須 英司さんと国内シェアNo.1のCTIシステム「BIZTEL」の事業部長・坂元剛によるセミナーが開催されました。 現在のコールセンター業界が抱えるCXやEXの課題感を解決するために必要な、ボイスボットと人の協業について語ったセミナーの内容をお届けします。

クラウド型コールセンターシステム・クラウドPBX | BIZTEL(ビズテル)

クラウド型コールセンターシステム・クラウドPBX | BIZTEL(ビズテル)

オフィスの電話環境はもちろん、コールセンターシステム(CTI)やスマートフォンの内線化など、豊富な機能を提供するクラウドPBX「BIZTEL」。場所・設備・コスト・保守期限の制約に縛られることなく利用でき、変化し続けるビジネスに自由自在に対応できる電話サービスです。

企業の“顔”とも言えるコールセンターが抱える課題はすべて自動化で解決できるのか

高須 ここ数年AIの導入が急激に進み、すでにさまざまなビジネスシーンで活用され、成果を上げています。多くのコールセンターで導入されているBIZTELでも生成AIを活用した自動化を求める声は多くなっていますか?
坂元 オペレーターさんの人員不足はコンタクトセンターの大きな課題になっていますので、電話応対の自動化、生成AIとボイスボットの活用はみなさまが注目されているところだと思います。
高須 オペレーターさんの人員不足の解消や業務の効率化を考えると、自動化は進めた方がいいですよね。その一方で、実は自動化による課題やひずみも生まれています。特にコールセンターでは、顧客満足度の部分で顕著に表れているのではないでしょうか。

まずはコールセンターにおける現状の課題を見てみましょう。

コールセンター白書のデータによれば、コールセンターに電話をかけたお客さまからの不満として「オペレーターが出るまでの時間が長い」が一番多くなっています。話したいことがあるから電話をかけているのに、そもそも電話がつながらない。電話がつながっても、保留音が流れて10分、20分も待たされる。ではオペレーターさんと電話がつながればいいのかというと不満はそれだけではありません。オペレーター対応で不満だった理由を見てみると「事務的だった(親身ではなかった)」が最多となっています。
坂元 最近のお客さまは困ったことや問題が起きるとまずはインターネットで検索し、FAQを見て解決しようと試みます。それでも解決できないとなって、初めてコールセンターに電話をかける。いわば電話は最終手段なわけです。本当に困ってお問い合わせをしているのにオペレーターさんの対応で気になるところがあると、こういった評価になってしまうのかもしれませんね。
高須 コールセンターというのは、お客さまにとっては企業の窓口であり、その企業を表す“顔”でもあります。そのコールセンターの対応が悪かったら、お客さまが離れていく引き金にもなりかねません。これは早急に解決すべき課題ですよね。

自動化によってますます重要度が高まった、人の力

高須 CX(顧客体験)を上げるために何から取り組めばいいのでしょうか。これもコールセンター白書のデータになりますが、コールセンター側が「CX向上を示すと捉えているKPI」についてどう考えているのか見ると、「応答率」という回答が一番多くなっています。電話がつながらない状態を改善し、お客さまとの接点をしっかり持ちましょうという考えがここに現れています。しかしいくら応答率を上げてもオペレーターさんの対応が悪かったとしたらCX向上にはつながらないですよね。
高須 その一方で、CX向上に必要と考える要素を見てみると、「ホスピタリティを重視した親身な対応」が最多になっています。つまり「応答率」と「ホスピタリティを重視した親身な対応」の両方を改善して初めてCX向上につながるということだと思います。自動化とホスピタリティについては、いろいろな考え方があって坂元さんも調査をされたそうですね?
坂元 BIZTELで「AI時代における顧客コミュニケーション及び窓口対応に関する意識調査」という市場調査を実施し、2024年11月にプレスリリースも出させていただきました。その調査では、9割の人が無人音声サービス(IVR)やボイスボットを経験したことがあると回答しています。つまり、ほとんどの方はすでに自動化に慣れていることが分かりました。その一方で、約8割の人が有人対応の必要性を感じると回答し、無人音声サービスの対応に不満を感じた人の3人に1人が、問い合わせ先の企業・団体、サービスに対して不信感を抱いたと答えています。つまりボイスボットと有人対応のバランスをしっかりと考えないと、お客さまが期待するホスピタリティに応えることは難しいということだと思います。
高須 自動化が進んだことで逆にオペレーターさんの応対がより注目を集める、そんな状況になっているということですね。しかし、オペレーターさんを取り巻く環境は非常に厳しくなっています。人員の採用は難しくなっている上に、カスタマーハラスメントも大きな問題となっています。長時間対応はメンタルだけではなくフィジカルにも大きな負担がかかります。会社の資産であるオペレーターさんを守るためにはCXを高めるだけではなく、オペレーターさんの負担を減らし、EX(従業員満足度)も向上していく必要があります。その両立を実現するために必要なのが、“ボイスボットと人の協業”だと私は考えています。

ボイスボット×人の協業によりCXとEXの両方を改善

高須 ボイスボットを導入して自動化を進めるといっても、すべての業務を任せる必要はありません。すべてボイスボットだけで完結させようとすると失敗する確率が上がります。ではどんな業務をボイスボットに任せればいいのか。坂元さんのお話にもありましたが、そのバランスがとても重要です。
高須 業務を分ける上で、「定型なのか非定型なのか」は大きな境界線になります。具体的な業務で言うと、定型である「一時受付」や「予約情報の聞き取り」などのデータ・システムと連携して行う業務は、人がやるよりもボイスボットの方が、圧倒的に早くできます。最近は本人か確かめるのに2点、3点確認が増えていて、例えば、名前の他に生年月日やお客さま番号を教えてくださいとなると、書類を探すために何分もオペレーターさんが待たされることになります。これを人が担当するのはすごく非効率になるので、これはボイスボットに任せた方がいい業務ということになります。
それに対して人が担当するのは非定型、ホスピタリティの部分になります。「複雑な問題解決」や「心情に寄り添う対応が価値となる業務」そして、「クレーム後の丁寧な対応」。これはロボットがやっては絶対にダメな業務ですよね。
高須 人とボイスボットが協業するハイブリッドコールセンターが実現するとどう変わるのか、受付はボイスボットが担当することで、確実に応答率が上がります。これで電話が常につながるコールセンターをつくれます。さらにお問い合わせの内容に応じてオペレーターに代わる仕組みを入れることで、必要なタイミングで「どうされましたか」と人が応対し、クローズする。ボイスボットと人が協業することで、初めてCX、EXを両立したコールセンターが実現します。ただし、これを実現するためにはコールセンターのCTIシステムが重要になってきますよね?
坂元 そこはすごく重要なポイントになります。これまではお客さまからの電話をボイスボットにつなぐ際や、ボイスボットからオペレーターへ引き継ぐ際に、外線を経由して転送していました。転送で発生する通信コストは企業の負担になるだけではなく、転送時にお客さまの電話番号が通知されないため、スピーディーな顧客情報の確認ができないなど、さまざまな運用課題がありました。それを解消するために私たちのBIZTELでは、内線状態でボイスボットとの連携を可能にしました。これによって転送費を削減できるだけではなく、お客さまの発信者番号を引き継いで対応を継続できるシームレス連携を実現しています。これによってさらにCX、EXを向上できると確信しています。
高須 ボイスボットと人が協業するハイブリッドコールセンターを実現するためには、ボイスボットとCTIの連携が重要ということですね。2024年4月から我々のAIボイスボット「commubo」はBIZTELとの連携が始まっており、すでに多くの企業で導入が進んでいます。
実際の導入事例をご紹介します。
まずは、住宅関連事業を行っている株式会社エプコさまの事例です。エプコさまには充電インフラのお問い合わせ先としてご導入いただきました。お客さまが電話をするとIVRにつながり、ここでメニューを選んでいただきます。お問い合わせの内、定型業務を中心に4〜5割をcommuboが対応し、それ以外を人が担当します。ブラウザタイプのCTIを導入することでオペレーターさんは在宅での対応が可能となります。エプコさまはダイバーシティも積極的に推進されていることもあり、ロボットとの協業によりオペレーターさんの多様な働き方を実現されています。
高須 次はコールセンターのBPO事業を手がける株式会社Zationさまの事例です。
メーカーのテクニカルサポート窓口として24時間365日対応するために、お客さまからの電話はすべてcommuboが受け付け、問い合わせ内容に応じてSMSによる情報送信、またはオペレーターへの転送を行います。BIZTELとcommuboが内線で結ばれていますのでオペレーターにはお客さまの電話番号がそのまま伝わり、お客さまに改めて電話番号を伺う手間をかけることなくSMSを送信できます。またcommuboからオペレーターへの転送も内線になりますので、転送料がかかりません。Zationさまの場合、年間20万円の転送コスト削減につながっています。
高須 このように人とボイスボットが協業するハイブリッドコールセンターを実現することで、CXとEXは確実に向上できます。今、抱えている課題を改善したいと考えている方は、ぜひお問い合わせいただければと思います。今日はありがとうございました。

commubo|「らしさ」引き出すAIボイスボット|自然会話AIプラットフォーム

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クラウド型コールセンターシステム・クラウドPBX | BIZTEL(ビズテル)

クラウド型コールセンターシステム・クラウドPBX | BIZTEL(ビズテル)

オフィスの電話環境はもちろん、コールセンターシステム(CTI)やスマートフォンの内線化など、豊富な機能を提供するクラウドPBX「BIZTEL」。場所・設備・コスト・保守期限の制約に縛られることなく利用でき、変化し続けるビジネスに自由自在に対応できる電話サービスです。

株式会社ソフトフロントホールディングス 執行役員 兼 <br>
株式会社ソフトフロントジャパン 代表取締役社長<br>
髙須 英司

株式会社ソフトフロントホールディングス 執行役員 兼 
株式会社ソフトフロントジャパン 代表取締役社長
髙須 英司

キヤノンからソフトフロントに入社後、2000年初期にH.323ベースの自社IPコンタクトセンターシステムの開発プロジェクトをリーディング、各種SIerとのパートナーアライアンスを推進した経歴を持つ。近年は事業ピボットにより各種SaaS型クラウドサービスの事業化を進めつつ、業界に先駆けてコールセンター市場向けに音声系最新AI技術を取り入れたAIボイスボット「commubo (コミュボ)」を投入、現在も高度化技術による顧客課題や社会課題の解決に取り組んでいる。

株式会社リンク<br>
取締役 BIZTEL事業部長<br>
坂元 剛

株式会社リンク
取締役 BIZTEL事業部長
坂元 剛

インターネットシステムに関する開発業務からキャリアをスタート。監視システムや多数のウェブシステムなどの構築の知見を活かして、今まで誰もトライしてこなかったPBXをインターネットサーバに載せるというBIZTELサービスを立ち上げ。データ通信および音声通信のソリューション提供まで幅広い経験を元にBIZTELの成長を支える。