
結果を出すインストラクターの心得とテクニック(BIZTEL大学 第2回 講義レポート)
BIZTEL大学は、コンタクトセンター従事者の方へ「学びの機会」と「悩みの解決」を提供するために開校したオンラインセミナーです。累計1,800名(2025年4月時点)以上の入学者へ「センター運営の持続的な成長」に役立つ情報をお伝えしています。 第2回の開催では、『研修が変わる。結果を出すインストラクターの心得とテクニック。大手コンタクトセンターの研修を成功に導いたノウハウを公開』と題して、センター内の研修担当者に向けたセミナーを実施しました。 「受講生の吸収力を高める具体的なテクニック」や、「一方通行の研修にならないようにする手法」など、講義の一部をご紹介します。
講師

株式会社ブランニューデイ
代表取締役 池田 浩一
コンタクトセンター専門のコンサルタントとして、100社以上のセンターの立ち上げや業務改善を支援。数多くの電話応対の現場に携わった経験から「実践で役立つ」ことに重きを置いた研修を行い、好評を博している。ラジオやニュースサイトなど多数のメディアにも出演する。

ブライシス株式会社
shouin事業部 コンタクトセンターチーム 塚本 恵
コールセンターオペレーター歴16年。通販や相談窓口、IT系のカスタマーサポート業務を経験、得意技はクレーム対応。
その後、建設業界向けソフトウェアの営業チームリーダーを経て、現在は『BIZTEL shouin』の営業担当として、コールセンター業界の教育課題の解決に従事している。
残念な研修から脱却!研修改革が必要な理由とは
私は10代の頃、パンクバンドとかをやっていて、ロックが大好きだったんです。新宿ロフトというライブハウスに通っていて、その当時、そこに後々有名になるミュージシャンがいて。その方はボーカルですから人前で歌うんですけれど、ものすごく姿勢が良かったんです。それにすごく衝撃を受けて、姿勢って大事だな、なんて10代の頃から思い始めました。
これまで様々な企業の研修改革をお手伝いしてきましたが、なかには残念な研修を実施しているところもありました。
残念な研修の例は、次のような内容です。
・高圧的・威圧的な研修
・資料や環境の準備・配慮が不足している
・説明が大雑把すぎる、または細かすぎる
・インストラクターの話し方のクセが強い
・滑舌が悪い・声が小さい など
実際、大手金融機関で研修改革を実践したところ、定着率が31%改善しました。金額にして約1億6,800万円のロスコストを削減できたそうです。
研修におけるインストラクターの役割と、身につけたい基本スキル6選
・新人向けの初期研修
・フォローアップ研修
・スキルアップ研修
受講生のモチベーションを維持・向上させる意味でも身につけておきたい、6つの基本スキルについて詳しく見ていきましょう。
1. 受講者がリラックスできる雰囲気を作る
ガチガチな雰囲気で一方的な指導をしてしまうと、受講者の吸収率が低下してしまいますので、研修は楽しくやりましょう。
今日のこの講義でいうと、「ミュージシャンの話」の部分ですね。
「まくら」の内容としては、以下のようなものがおすすめです。
・学習する項目に関わる好事例
・お客さまとの対話で経験した、ちょっと良い話
・センター内にいる尊敬・信頼できる人、楽しい人など、好感を持っている方の話 など
2.見た目を意識する
3.親しみを感じられる態度
4.一方的な研修ではなく「参加型」の研修を行う
「実際にお客さまへ説明するように答えてください」といった形で問題を出し、受講者同士で交互にロールプレイングをしながら回答してもらう方法もあります。このやり方だと、学習した内容を自分の言葉にして伝えられるか確認することができます。
Web研修の場合であれば、受講生を置き去りにしないよう、リアクションボタンの活用に加え、ロールプレイングに入る前に全員で声出しするといった工夫をしてみると良いでしょう。
5.「8の字」の目線と、空間を意識して話す

こういった配慮も、受講生の吸収力アップにつながります。
6.研修後にアンケートを実施する
作業工数を考えると、研修の準備をして、実施をして、そのうえ反省もしなくてはならないのは大変なことですが、この振り返りが今後の生産性に関わってくるので非常に重要です。
アンケートを取り、修正・反省すべき点を絶えず改善していかないと、結果として無駄なコストを生み出しかねません。「業務知識の習得についていけなかった」といった理由で、研修の途中や、デビューして1ヵ月ほどのタイミングで新人が辞めてしまうことになれば、やはりインストラクターも含めて会社側に一定の責任があるのかなと感じてしまいます。必ずPDCAを回せるようにしましょう。
この資料を参考に、ぜひ皆さんで自社専用のチェックシートを作ってみてください。インストラクターとしてあるべき姿は何かを、チームで共有できるようになります。自分たちのセンターの方向性・方針について、モヤモヤしていたものが統一できますので、チームの中で話し合って、一緒に作っていただくのが良いかなと思っています。

チェックリストについても、なかなか手に入らないものを今回特別にご用意いただいたので、ぜひ皆さまのお役に立てればと思います。
参加者からの質問(一部紹介)
このように、私は細かくアンケートを作ろうとする癖があるのですが、最初はざっくりとした頻度でいいのではないかと思っています。
オペレーターがお客さまから「ありがとう」と言ってもらえたら、「お客さまも喜んだし、指導係をしている身からしても嬉しいので、ありがとう」と本人に直接伝えてみるのも良いでしょう。
それから、周りからすると当たり前のことであっても、本人からすればやっとうまくできたということや、センター全体の中で模範となる、輝いている部分を見つけて褒めるのも良いですね。
褒められると照れてしまう人もいると思いますが、嫌ということではないと思うので、ぜひ良いところを見つけて褒めてみてください。
オペレーター教育のためのクラウドサービス「BIZTEL shouin」とは
それでは、コンタクトセンター専門の動画研修を中心としたクラウド型の教育管理サービス「BIZTEL shouin」についてご説明します。
プリセットの研修動画が豊富
初期研修だけではなく、SV向けの研修動画もあり、今後もさらに増える予定です。「研修講師の心得」など、池田さんが今回お話しされた内容も入っています。
また、すでに収録されている動画だけではなく、自社で用意したPDFや動画も格納して使えます。
クイズや検定で、知識を定着
まず研修動画を見て学習し、その内容を踏まえてクイズに答えることで、知識を定着させることができるという機能です。一問一答形式なので、気軽に挑戦できます。一度中断して、続きの問題から挑戦することもできますし、間違えた問題だけ解くということも可能です。「インプットとアウトプット」これらを繰り返すことで成長を促せる仕組みとなっています。
先ほどご紹介したクイズと違って、合否判定や受験回数が表示されます。また、受験回数の上限や、合格基準点・制限時間の設定が可能です。
初期研修だけではなく、新商品の知識検定や、新しい業務にチャレンジするときの見極めテストや、社内の昇格試験にも使える機能です。
研修の進捗状況を確認できる
また、クイズに関しても、問題ごとの回答率・未回答率・正解率などを確認することが可能です。どの学習者が正解・不正解だったかも分かります。
BIZTEL shouinのプリセット動画や機能について「もっと知りたい」と思った方は、ぜひホームページをご覧ください。
ご清聴ありがとうございました。
BIZTEL大学への入学をお待ちしております!

※2 視聴可能なプリセット動画や、機能を制限して提供しています。
セミナーで改善手法を学び、最新ソリューションの情報を収集して、BIZTEL shouinで復習し、学んだ内容を現場で活かす。そして、また次回のセミナーに参加する。BIZTEL大学では、こうした持続的な成長サイクルをコールセンター(コンタクトセンター)の皆さまにご用意しています。
将来的にはオフラインでの開催や、参加者同士のネットワーキングの場になるような未来を目指していく予定です。「BIZTEL大学」に興味をお持ちの方、ぜひご参加をお待ちしております!